神様メール 2015年
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督
物語
ブリュッセルの街で家族と暮らしている神様は、自分の部屋のパソコンで世界を支配し、いたずらに事故や災害を起こして楽しんでいる。そんな父に怒りを覚えた10歳の娘エアは、神様のパソコンから人々に余命を知らせるメールを送ってしまう。世界は大パニックに!エアは人間たちを救済しようと家出し、人間社会へ飛び出していく。そんな娘を追って神様も人類へ出るが…。
ベルギー、フランス、ルクセンブルグの共同制作。2015年のカンヌ映画祭で上映された。ベルギーのアカデミー賞にあたるマグリット賞で最優秀作品賞を獲得。ヨーロッパ各国でヒットしたコメディ。
原題は、Le Tout Nouveau Testament、直訳は最新の新約聖書。キリスト教の世界では、ユダヤ教の聖典を旧約聖書、キリストの教えを新約聖書と呼ぶことから、三回目の「神との契約」というところ。
神様はブリュッセルに”実在”していた。人々のイメージとは異なり、強権的な父親で、神の書斎で退屈しのぎに、人間社会に事故や災害を起こす意地悪な神だった。
「神様は本当は嫌な奴」なんて冒涜とも受けとめられそうな設定ですが、旧約聖書に出てくる神は、洪水を起こしたり、エジプトに十の災いをもたらすなど無慈悲なこともなさりますので聖書の話を知っている方がより笑えます。
そんな父親に怒りを覚えた娘のエアちゃんが反旗を翻し、父のパソコンから世界中の人々に余命を伝えるメールを発信する。余命を知った人々は、神を畏れずに好きなように生きるようになります。
エアちゃんは、兄の JC(jesus christ)のアドバイスで、6人の使徒を使い、新たな福音を伝えるために人間社会に行くことを決意するのでした…。
物語は使徒に選ばれた6人のエピソードを中心に描かれます。
それぞれのエピソードは哀しく可笑しいユーモラスなもので、映像もファンタジックで素晴らしかったです。現代における宗教のあり方を考えさせられるところもあり、なかなか非凡な映画でした。
そういえば今日は12/24でしたね。
メリー・クリスマス、J.C
※今年58本目の映画鑑賞。