長いお別れ 2019年
中野量太監督
物語
父・昇平の70歳の誕生日で久しぶりに集まった娘たちは、厳格な父が認知症になったという事実を告げられる。日に日に記憶を失い、父でも夫でもなくなっていく昇平の様子に戸惑いながらも、そんな昇平と向き合うことで、おのおのが自分自身を見つめなおしていく。そんな中、家族の誰もが忘れていた思い出が、昇平の中で息づいていることがわかり……
中島京子の同名小説を、「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督が映画化。認知症を患う父・昇平を山崎努、一家の長女を竹内結子、次女を蒼井優、母を松原智恵子が演じた。
なんと言っても山崎務。認知症を患い何を考えているか分からないけど、どこか愛嬌あって切ない。見ていて、じわっと涙が出てくるような名演技でした。
クレジットの順番は、女性陣に先にしているのしょうか、蒼井優、竹内結子、松原智恵子の後になっているけど、80歳を超えての堂々たる主演ですね。
蒼井優さん、父を思う娘の気持ち、恋愛や仕事で挫折して落ち込む30代女性の気持ちとかが、伝わる演技力。本格派なんですね。
竹内結子さん。実力派女優でしたが、昨年、亡くなってしまいました。最近の映画なので残念な気持ちになります。
で、お母さん役の松原智恵子さん。かつては吉永小百合、松和泉雅子らと「日活3人娘」と呼ばれていた方。年をとってもお美しい。
映画は昇平の認知症の話だけでなく、姉の夫婦関係や子供の教育、妹の恋愛や仕事の問題など様々なストーリーが並行する家族のドラマになっています。映画の枠だと、やや忙しい感じでしたが、原作小説では三姉妹の設定だそうで、これでもエピソードを絞った方なのかもしれません。小説も読んでみたくなりました。
メリーゴーランドから手を振る昇平、印象に残る素敵なシーンでした。中野監督ナイス!
※今年7本目の映画鑑賞。