時計じかけのオレンジ 1971年
物語
近未来のロンドン。毎日のように暴力やセックスに明け暮れていた不良グループの首領アレックスは仲間の裏切りによって警察に逮捕され、懲役14年の刑に処されてしまう。
アレックスは、暴力行為に生理的拒絶反応を引き起こす「ルドヴィコ療法」の被験者となることを条件に刑期を短縮され、”真人間”となって出所するのだが…
アンソニー・バージェスの1962年に発表した同名の小説をキューブリックが映画化した作品。イギリスでは72年の公開後、模倣犯が横行したため、99年まで上映禁止となった。
長年、見ようか見まいか悩んだ「食わず嫌い映画」を遂に鑑賞しました。想像どおりカルトっぽく気持ち悪い映画でしたが、斬新な映像で、キューブリックの鬼才ぶりをうかがわせます。主演のマルコム・マクダウェルのカリスマぶりもなかなか。
サイケでレトロ・フューチャーなファッションやセット。50年前の映画だけど、一周回って新しい感じがします。
アレックスの洗脳シーン。暴力映画を強制的に鑑賞させ薬物で不快感を与えることで、暴力に対して条件反射的に不快感を抱くようにするというもの。撮影中に事故があり、マルコム・マクダウェルは危うく失明するところだったとか。
原作小説には「最終章」があって、18才になったアレックスが暴力を卒業しようと決意するエンディングになるそうです。
この最終章をカットした映画のエンディングについて、原作者バージェスとキューブリックの間で一悶着あったらしいですが、映画の不気味な終わり方の方がクールかと思いました。
※今年13本目の映画鑑賞