去年マリエンバートで 1961年
アラン・レネ監督
物語
凝った装飾の施された、石作りの豪華なホテルで富裕層たちがパーティに興じていた。ある男性客は、夫と滞在中の夫人に「去年マリエンバートで会いましたね」と話しかけるが、夫人は思い出せない。だが男の話を聞くうち、夫人は記憶を取り戻していく…
アラン・ロブ=グリエによる脚本をアラン・レネが監督したフランス・イタリア合作作品。主演、デルフィーヌ・セイリグ。1961年、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞。
萩尾望都さんの漫画(バルバラ異界かな?)で知って気になっていた作品、レンタルとか探していたのですがなかなか見つからなかったのですが、U-NEXTで公開されていたので遂に鑑賞できました。👏
ちょっとオシャレな普通のラブストーリーかと想像していましたが、時系列や主観・客観が交錯する実に難解な作品でした。
夫人と、夫人の夫らしき男、夫人に昨年駆け落ちを約束したと言う男の三角関係のようですが、解釈は様々で、夫人は男にレイプされたとか、男は死神であるとか、いろいろな見方があるようです。この作品は黒澤明の「羅生門」に影響を受けたそうで、まさに真相は「藪の中」です。
映像がスタイリッシュ。豪華な宮殿と幾何学的な美しさを持つ庭園、ココ・シャネルがデザインした衣装、デルフィーヌ・セイリグの演技、夢か現か惑うような幻想的な演出‥、芸術的です。
正直、何回か寝落ちしました(笑)。でも素晴らしかった。インスピレーションを掻き立てられる芸術的な面白さを感じました。いい映画でした。
※今年20本目の映画鑑賞。