金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

反撥

反撥          1965年

ロマン・ポランスキー監督

物語

ロンドンのアパートで姉ヘレンと暮らすキャロルは美容室で働いていてデートを誘う男コリンもいる。姉が妻子持ちの男マイケルを毎晩のように部屋に泊めることに強い嫌悪感を抱いていた。毎晩のように姉の喘ぐ声が聞こえてくる。神経質で潔癖性のキャロルは、男性恐怖症になると同時に男に犯される夢を見るようになり、徐々に精神的に壊れて行く。姉と男が旅行に出る。家賃の支払もせず、引きこもってしまう。

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ポーランドを離れ渡英したポランスキー監督が製作した「水の中のナイフ」に次ぐ二作目の長編映画。第15回ベルリン国際映画祭において銀熊賞審査員グランプリを受賞した。

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カトリーヌ・ドヌーブ主演。「シェルブールの雨傘(1964年)」から、間もなく、ホラー・サスペンス映画にも主演していたのですね、名声に甘んじない女優魂を感じますね。

この映画は、ポランスキー監督の演出も斬新ですが、この映画はカトリーヌ・ドヌーブの美貌と演技力がなければ成り立たない。ポランスキーよりカトリーヌ・ドヌーブを評価したいな。

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原題のRepulsionは強い嫌悪感、拒絶感を表す言葉です。男性恐怖症、対人恐怖症から次第に狂気に陥っていく女性を恐ろしいサイコパスとして描いていますが、この当時はメンタルヘルスに対する理解が不足していたのでしょうね、現代ならば、精神疾患や患者さんに対して誤解を招く内容と批判されること必至です。

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「水の中のナイフ」「反撥」「袋小路」は、ポランスキー監督の初期3部作を鑑賞。「反撥」はホラー苦手な私の好みではないですが、どの作品も尖っていて面白かった。

※今年29本目の映画鑑賞。