竜とそばかすの姫 2021年
細田守 監督
物語
高知県の自然豊かな田舎町。17歳の女子高生すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と2人で暮らしている。母と一緒に歌うことが大好きだった彼女は、母の死をきっかけに歌うことができなくなり、現実の世界に心を閉ざすようになっていた。ある日、友人に誘われ全世界で50億人以上が集う仮想世界「U(ユー)」に参加することになったすずは、「ベル」というアバターで「U」の世界に足を踏み入れる。仮想世界では自然と歌うことができ、自作の歌を披露するうちにベルは世界中から注目される存在となっていく。そんな彼女の前に、 「U」の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れる。
劇場へ観に行きました。『未来のミライ』に続く細田守監督による長編オリジナル作品第6作。
ビジュアルや音楽が素晴らしい。今までの細田監督作品の中で一番のコマーシャルな作品だと思います。実際、興行収入も好調で、コロナ過にかかわらず、細田アニメでは過去最高だった「バケモノの子」を超えることが確実のようです。
ベルのキャラ・デザインが垢抜けていて、細田監督のアニメにしては珍しく"色気"があるな…と思っていたのですが、なんとディズニーで「アナと雪の女王」などのキャラデザインを担当したジム・キムさんがデザインしたそうです。劇中歌、中村佳穂さんの歌声も素晴らしく、キャラの魅力が作品を引っ張ります。
リアルワールドのキャラデザインは細田アニメでおなじみの青山浩行さん。すっきりした絵柄がいいですね。
都会的で賑やかな"U"の世界とすずが住む長閑な高知、派手なベルと地味なすず。現実パートは手描きアニメーション、仮想世界はCGアニメーションで表現したそうです。世界観の対比が見事です。
あとバーチャルとリアルワールドが交錯するドラマですが、ネットでの誹謗中傷など現代的な問題に踏み込んでいるのが興味深かった。細田監督もネットで自分の作品に対する評価を読んで傷ついたことがあるのだろうな…。
パクリかオマージュか?
監督自身が「美女と野獣」をオマージュしたことを公言していますが、ディズニー顔のベルと有名なダンスシーン…まんまやん(苦笑)
面白かったけどけど、オマージュが勝ちすぎ。
※今年33本目の映画鑑賞。