金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

記憶にございません!

記憶にございません!   2019年

三谷幸喜 監督

物語

病院のベッドで目覚めた男(中井貴一)は一切の記憶がなく、病院を抜け出して見たテレビで、自分が国民から石を投げられるほど嫌われている総理大臣の黒田啓介だと知る。国政の混乱を避けるため、記憶喪失になったことを国民や家族には知らせず、真実を知る3人の秘書官に支えられながら日々の公務をこなす中、アメリカの大統領が来日する。

f:id:tomo2200:20210814215717j:image

三谷幸喜作品。主演は中井貴一。フジテレビ開局60周年記念作品として2019年に公開し、興行収入36億のヒット作品になった。

f:id:tomo2200:20210814233843j:imagef:id:tomo2200:20210815103143j:image

史上最悪のダメ総理が、記憶喪失になってしまい…。霞ヶ関の常識に縛られない男が国政に挑む。三谷幸喜らしいバラエティー感のあるドタバタ・コメディです。主演の中井貴一さんがチャーミングな演技が印象的でした。

f:id:tomo2200:20210815103012j:imagef:id:tomo2200:20210815103128j:image

良心に目覚めた政治家が活躍するコメディというとフランク・キャプラの「スミス都に行く」とか、ケヴィン・クラインシガニー・ウィーバーが主演した「デーヴ」を思いだしますが、これら名作に比較すると三谷幸喜作品は良くも悪くも"軽い"です。

政治風刺も薄っぺらで、僕的には物足りない感じがしましたが、悪者を作らない、気楽に楽しめる、というのが三谷幸喜監督のエンターテーメントの姿勢なのかなと思います。

f:id:tomo2200:20210815111739j:image

2019年、映画公開に際し当時の安倍総理と対談しています。その中で…

安倍首相:
中井さんはコメディ作品で光るものがありますよね。非常に良かったと思います。主役にふさわしいですよね。もうちょっと悪い黒田総理を見たかったですね。

三谷監督:
そうなんですよねぇ。(中井さんは)悪い総理がぴったりなんですよね。僕も映画が出来上がってから「もっと悪い黒田総理を見たかったな」と思いましたね。

と、脚本の弱点をグサり!と突くコメント。安倍さんの映画評がなかなか鋭い…。

f:id:tomo2200:20210814233940j:image

※今年38本目の映画鑑賞。