沖縄の民 1956年
古川卓巳監督
物語
昭和十九年、沖縄決戦を前に、内地への集団児童疎開が始まる。沖縄市の国民学校の教師、佐敷真知子は児童の父兄を説得する。そして、疎開船ツシマ丸は那覇の埠頭を出発するのだが…
日活映画、左幸子、安井昌二、長門裕之ら主演。壮絶な沖縄戦を庶民の視線で描いた戦争映画。
今日は76回目の終戦記念日。こういう日なので戦争映画を観ました。
本作の製作は1956年。沖縄は米国統治下で撮影は本土(役者も本土人)で行われたものですが沖縄戦の悲惨さが伝わってきます。撮影に関わったスタッフや役者らが実際に戦争の災禍を経験していることがドラマに説明のできないリアリティを与えている気がします。
セミ・ドキュメンタリー風の映画ですが、ヒューマンドラマもしっかりしています。日本映画史に残すべき名作だと思います。
僕の親は子どもの頃に空襲を経験しています。あちらこちらから炎が上がる中、どの方角に逃げるか迷っていると、すぐ側に焼夷弾が落ちてきたそうです。ドスンと凄い音がして地面に凹みができたのですが幸い不発弾でした。もし爆発していたら即死、僕も生まれて来なかったことなります。
戦争を経験した方が次々と他界してしまい、戦争の話を身近に聞く機会は減りました。戦争の記憶を伝える映画は貴重です。
※今年39本目の映画鑑賞。