金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

散り行く花

散り行く花     1919年

D・W・グリフィス監督

物語

仏教を広めるため、中国からロンドンに渡った中国人青年チェン・ハンは、しかし厳しい現実に直面し、スラム街で店番をしながら阿片を吸うような生活を送っていた。同じスラム街で暮らす少女ルーシーは、ボクサーである父親バロウズから日常的に虐待を受けていた。ルーシーは笑うことを知らず、父親から笑顔を要求されると、指で唇の両端を持ち上げるほどであった。ある日、父親からひどく殴られたルーシーはチェンに助けられ、彼の部屋でつかの間の安らぎを得る。二人の間にはロマンティックな感情が芽生え始めるが、二人のことを聞いた父親は怒り、ルーシーは力ずくで連れ戻されてしまう。

f:id:tomo2200:20220822133149j:image

1919年のサイレント映画。監督は映画の父と言われるD・W・グリフィス。本作はトーマス・バークの短編小説集『ライムハウス夜景集』の一遍『中国人と子供』を映画化したもので、ロンドンの貧民街を舞台に、13歳の少女ルーシーと中国人青年チェン・ハンの儚い恋を描く。

f:id:tomo2200:20220822193841j:imagef:id:tomo2200:20220822193825j:image

父親の暴力に怯えて暮らす少女ルーシ(リリアン・ギッシュ)父親から「笑え」と命令され、指で無理矢理に笑顔を作る。切ない。

f:id:tomo2200:20220822225635j:imagef:id:tomo2200:20220822225705j:image

100年前、映画の草創期の作品。本作により映画は新しい芸術分野になったと評価されています。映画史はともかく、切なく悲しい物語でした。

※今年36本目の映画鑑賞。