犬神家の一族 1976年
市川 崑監督
物語
旧家の名士・犬神佐兵衛の遺言状が公開されるが、莫大な遺産の相続者は佐兵衛の恩師の孫娘である野々宮珠世と結婚した者と記されていた。佐兵衛の孫にあたる3人の男はそれぞれ珠世を我が物にしようと企むのだが、やがてそれは連続殺人事件へと発展していく。
角川映画の記念すべき第1作。横溝正史の名作探偵小説を巨匠 市川崑監督が映画化した。
角川映画を3本連続で鑑賞。「犬神家の一族」は子どもの頃テレビで観た事がありますが、犯人もすっかり忘れていました。
石坂浩二。よれよれ袴にボサボサ頭の名探偵を原作通りに映画で登場させたのは、実はこれが初めて。石坂浩二の飄々とした演技で金田一耕助のイメージが定着した。
横溝正史の世界観やストーリーテリングを生かしながら、市川崑監督は映画としてのサスペンスをビジュアルで追求した。
不気味な佐清のゴムマスクのビジュアルもこの映画で確立している。(原作は美男子だった佐清の顔をそのまま写したとなっています。)
ミステリー作品ですが、「一族」の黒歴史と確執には「カラマーゾフの兄弟」のような文学性も感じさせる。ここが、この作品の魅力なんでしょうね。
面白かったです。角川映画の中では興行だけではなく内容的にも成功した作品だと思います。
※今年39本目の映画鑑賞。