メイン・テーマ 1984年
森田 芳光監督
物語
小笠原しぶきはマジックを修行している大東島健と出会い、彼の車で旅に出ることにした。しぶきの目的地は大阪、健の目的地は沖縄だ。気の合わない2人は、旅の途中で喧嘩ばかり。浜松で健の叔父のマジックショーがあり、しぶきはその手伝いをする羽目に。しかし健はショーの間、伊勢雅世子というジャズシンガーと会っていた。雅世子にぞっこんな健を見て、しぶきは嫉妬する。車は大阪に着き、2人は別れた。しかししぶきは健のことが気にかかり、姉夫婦が住む沖縄へ旅立っていく。
片岡義男原作。森田芳光監督。主演は薬師丸ひろ子、野村宏伸、財津和夫、桃井かおり。84年公開。併映は「愛情物語」
再び、角川映画。当時大人気だった薬師丸ひろ子20才の出演作。「愛ってよくわからないけど傷つく感じが素敵」という主題歌は聴いておりますが映画を観るのは初めてです。
薬師丸ひろ子さんって、凄い美人でもないですが当時の人気は凄かったですね。彼女を見出した角川春樹は薬師丸ひろ子の目力に惹かれたそうです。確かに目に力ありますね。
あと声が素敵です。薬師丸ひろ子に曲を提供しているユーミンは、薬師丸の声を「クリスタルボイス。冒しがたい気品というか、水晶のような硬質な透明感がある」と評しています。
映画ですが、物語は「なんだかな」です。
薬師丸ひろ子は、妻子持ちの年配の男(財津和夫)とナンパで知り合ったマジシャンの男(野村宏伸)の二人に惹かれているが、財津和夫は薬師丸ひろ子を子供扱いで、野村宏伸ははセクシーな年上のジャスシンガー(桃井かおり)にゾッコン。桃井かおりと財津和夫は実は恋仲という2×2の関係。
野村宏伸は、この映画のオーディションでデビュー。この時代らしさが出ています。桃井かおりは、いかにも彼女らしい演技、ジャズも歌って大熱演でした。
森田芳光監督の演出がファンタジックで面白かった。批判的なレビューが多いようですが、凡庸なストーリーに対する監督のレジスタンスだったのではないかな、と思いますね。
※今年42本目の映画鑑賞。