ヒトラー 〜最期の12日間〜 2004年
物語
1942年11月、アドルフ・ヒトラーのいる東プロイセンの司令本部に若い女性たちが連れてこられた。彼女たちの中から、トラウドゥル・ユンゲがヒトラーの個人秘書に選ばれる。その約2年半後の1945年4月20日、第2次世界大戦下のベルリンはソ連軍に包囲され、ヒトラーたちは首相官邸地下の要塞に立てこもっていた。ヒムラー警察長官もヒトラーにベルリンからの退却を勧めるが、ヒトラーはソ連軍打倒の作戦を熱演し続ける。しかし、奇跡は起こらず、遂にヒトラーは敗北を覚悟。愛人のエヴァ・ブラウンと結婚式を挙げ、翌日、2人はピストル自殺する。ユンゲらは地下要塞を後にし……
秘書の1人であるトラウデル・ユンゲの回顧録が原作。ヒトラーを主人公に、彼の最期の日々を厳粛なタッチで描き世界中で大きな論議を呼んだ。
ヒトラーの秘書だったトラウデル・ユンゲの回顧録に基づいて制作されており、ドラマの語り手となっている。ラストに本人のインタビュー映像があり、直接的ではないにしろナチスに協力した後悔と時代の流れに注意するようメッセージを伝えている。
ヒトラーの演技が良かったですね。バレロディ映像が作られたヒトラーのお怒りシーンは名場面です。悪魔的に描かれることが多いヒトラーですが、この映画では彼の弱さや優しさも描き出しています。
緊張感のある演出で、最初から最後まで息を飲むよう作品でした。歴史映画ですが、観客に時代を追体験させるような名画でした。
ヒトラーの時代は去ったと思っていましたが、ロシアのウクライナ侵攻を見ると恐ろしいことに私たちの世界は進歩していないようです。歴史から学ぶことが大切ですね。
※今年51本目の映画鑑賞。