日本のいちばん長い日

日本のいちばん長い日　　　1967年

岡本喜八監督

物語

広島・長崎への原爆投下を経て日本の敗戦が決定的となった昭和20年8月14日、御前会議によりポツダム宣言の受諾が決定した。政府は天皇による玉音放送を閣議決定し準備を進めていくが、その一方で敗戦を認めようとしない陸軍将校たちがクーデターを画策。皇居を占拠し、玉音放送を阻止するべく動き出す。

1945年8月14日正午のポツダム宣言受諾決定から、翌日正午の昭和天皇による玉音放送までの激動の24時間を描いた名作ドラマ。大宅壮一名義で出版された半藤一利の同名ノンフィクションを原作に、橋本忍が脚色、岡本喜八がメガホンをとった。キャストには阿南陸軍大臣役の三船敏郎をはじめ、笠智衆、志村喬、加山雄三ら、当時の日本映画界を代表する俳優陣が集結。

1945年8月14日の深夜から15日にかけて、宮城（皇居）で一部の陸軍省勤務の将校と近衛師団参謀が中心となって起こしたクーデター未遂事件を描いた作品。

敗戦という重たいテーマを扱いながら、脚本やアクションなど、エンターテメントとしての完成度も高い。

映画はその時代を映すものである。本作が公開された1967年は昭和42年。戦前の20年より戦後の期間が長くなった頃。激動の昭和を振り返り「不戦の誓い」を新たにする。強いメッセージを感じる名作。

※今年13本目の映画鑑賞。