家族の波紋 2011年
ジョアンナ・ホッグ監督
物語
裕福な家庭で育った青年エドワードは、アフリカで1年間ボランティア活動に従事することに。彼が出発するまでの間、家族は母パトリシアの提案でシリー諸島にある別荘で過ごすことになり、エドワードと姉シンシア、料理人ローズと絵画教師クリストファーがやって来るが、父だけは姿を見せない。優雅な日々を過ごす一方でどこか不安な空気が漂うなか、ついに姉が感情を爆発させたことで、家族が抱えてきた問題が浮かび上がってくる。
『アベンジャーズ』、『マイティ・ソー』のトム・ヒドルストンが初主演した家族ドラマ。ビドルストンは主人公の青年役を繊細に演じています。
アフリカへ旅立つ息子の送別の為に、家族旅行でシリー諸島の別荘に過ごす家族の話。楽しいはずの旅行であるが、なぜか重苦しくギスギスした雰囲気が漂う。母と姉、そして一人息子。寂しげな島の景観は、家族のこころの風景を映し出しているようだ。
このドラマの事件は、ネタバレしますが、家族の旅行に父親が現れないことです。母親との関係は語られませんが、父親は子供の面倒を見てこなかったようです。
あるシーンで画家が絵を描く際に、「青色を描かないと周囲の空間が青く見えてくる」と語るセリフがあります。この家族と父親の過去の確執は描かれませんが、そのことが、母、姉、弟の心理を深く描き出していることを比喩しているようです。
いい映画でした。👏
他のレビューを読むと、 「トム・ヒドルストンを目当てに見たけど、退屈なストーリーで眠くなった」とか、「引きの固定カメラの撮影が素晴らしい」とか、「島の風景に癒された」とか、いまいち褒められてない😭。いやいや、そんな凡作ではないですよ。脚本の素晴らしさ、それを伝える写真の上手さなど、しっかり観てやってください。
※今年18本目の映画鑑賞