物語
21世紀、アメリカ共和国の大都市ニューローマでは、享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の格差が社会問題化していた。市の都市計画局局長を務め、名門クラッスス一族の一員でもある天才建築家カエサル・カティリーナは、新都市メガロポリスの開発を推進する。それは、人々が平等で幸せに暮らせる理想都市だった。だが、財政難の中で利権に固執する市長のフランクリン・キケロは、カジノ建設を計画し、カエサルと真正面から対立する。また一族の後継を目論むクローディオ・プルケルの策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶対絶命の危機に直面するが――

巨匠コッポラ監督が構想40年、私財1億2000万ドルを投じて作り上げた力作。第77回カンヌ国際映画祭では上映後には7分間のスタンディングオベーションが起こったが、評論家の批評は賛否が分かれ、商業的には惨敗で興行収入はわずか400万ドル程度に留まっている。


哲学的でストーリーも難解な部分もあるがローマ帝国に見立てた現代アメリカ社会への憂いや未来への希望などメッセージはわかりやすい。
コッポラはインタビューで、「私は映画作りを通じて、家族である人類が争ったり、家である美しい地球の環境を破壊したりするのではなく、どうしたら子どもたちのために喜びと幸せに満ちた世界を作ることができるのかを考えてもらいたいのです。そうした理想の世界を実現して未来の子どもたちに残せるような、素晴らしい存在に人類はなり得るのだと伝えることが、私が映画を作る理由と言えるかもしれません。」と語っている。


映像は流石にコッポラ。どのシーンも見事で隙がない。猥雑なシーンにすら美意識を感じてしまう。章立てをし字幕を挟むストーリーテラーは、映画の創始者 D・W・グリフィスのイントラレンスを彷彿させた。

冒頭で衝撃的に披露される主人公の「時を止める」能力は、物語の中でたいして活躍しない。コッポラのインタビューでは「アーティストなら誰でも持っている力と言えるでしょう。画家は絵を描けばその時間を止めることができるし、ダンサーも空間と時間を自分で操れますよね。」と言っていて、比喩的な能力なようだ。

大コケ映画と理解っているけど、観ずにはいられない、巨匠コッポラ渾身の作品。いやいや、どうして、劇場で鑑賞できて良かったです。👍
※今年19本目の映画鑑賞。