深夜プラス1 / ギャビン・ライアル著
物語
元工作員のルイス・ケインは、無実の罪で殺し屋と警察双方に追われる実業家をフランスからリヒテンシュタインまで護送する仕事を引き受ける、だが行く手には、男を追うフランス警察、そして謎の敵が放った名うてのガンマンたちが立ちはだかる。次々と迫る困難を切り抜けて、タイムリミットまでに目的地へ到着できるか。
イギリスの作家ギャビン・ライアルが1965年に発表した小説。英国推理作家協会の最優秀作品賞を受賞した。冒険サスペンスの傑作として名高い。
主人公のルイス・ケインは第二次世界大戦にレジスタンスを支える目的で欧州大陸に送られた英国の工作員で、現在はフリーのビジネス・エージェントてして生計を立てている。戦時中のコードネームはキャトン。
イメージ(スティーブ・マックイーン)
使用する銃はモーゼル32年型という代物。スイッチ一つで自動小銃になるが扱い難い。いざとなると何をしでかすかわからない主人公のキャラが出ている。
旅に同行する相棒は、同じくアンリに雇われたハーヴェイ・ロヴェル。彼はアメリカのシークレット・サービス出身でヨーロッパでもナンバー3の技量の持ち主だが、実は慢性のアルコール中毒というガンマンとして致命的な欠陥を持っている。
イメージ(ロバート・レッドフォード)
彼の銃は銃身二インチのスミス・アンド・ウェッソン。小型軽量化のため弾数は5発になっている。どこにでもあるようなごくありふれた銃だが、少ない弾数で確実に決めるプロの銃だ。
移動ルート
フランスのブルターニュからスイスを超えてリヒテンシュタインまで。ロードムービー的な面白さもこの小説の魅力。
ハードボイルド満喫。この小説はケインの一人称で語られるので、主人公に”なりきり”で読めます。多くの人に愛された小説だけあって凄く面白かった。粋な台詞が多く、何回も読み直しできそう。
※今年読んだ小説 2冊目