金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

スイート・スイート・ビレッジ

スイート・スイート・ビレッジ  1985年

イジー・メンツェル監督

物語

春。プラハの南に位置し、美しい田園風景が広がる小さな村クシュベッツ。朝、農場の運転手で太っちょのパヴェクと彼の助手でのっぽのオチクはいつものようにトラックに乗り込み出勤。パヴェクは、両親を亡くした知的障害を抱えるオチクの父親代わりを務めているが、オチクのドジでしょっちゅう恥をかいたり仲間たちから笑われている。ムカムカ、イライラするけれど、それでもオチクを放っておけないのだ。村の医者ドクトルは。今日も風景に気を取られクルマを木にぶつけている。パヴェクとオチクは、そんなドクトルを助けてあげていざ仕事へ。しかしバックを誘導していたオチクがよそ見をしていたために、トラックで家の門柱を破壊してしまった。我慢の限界に来たパヴェクは農場事務所に駆け込み、「もうオチクの面倒は見きれない! 」と宣言してしまう・・・

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「チェコ・ヌーヴェルヴァーグ」の名匠、イジー・メンツェル監督作品、のどかなチェコの小さな村の、ちょっと可笑しな日々。1986年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。

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映画が公開された1985年。ソ連のゴルバチョフ政権によるペレストロイカ(改革)の動きが東欧に波及し始めた時期で、チェコは社会主義体制下で政治・経済の硬直化に直面していた頃の作品。(チェコは1989年のビロード革命で共産党一党支配が崩壊する。)

作品は、心温まる人情劇で、政治的なものでは全くないのだが、農村で働く労働者と、プラハに住む共産党幹部の生活が描かれていて興味深かった。

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※今年2本目の映画鑑賞。

 

小説:BUTTER

BUTTER
柚木麻子

物語

主人公の梶井真奈子は、中高年男性に金を貢がせたうえ、殺害した容疑で逮捕された。

一方、週刊誌記者の町田里佳は梶井との面会を取り付け独占記事を執筆を試みるが、うまくいかない。里佳は親友の怜子から「食の話題で釣ればいい」とアドバイスをもらい、梶井との接触に成功。

塀の中にいて望みのものが口にできない梶井は、訪ねてきた里佳にテストめいた要求を出す。梶井が指定する食べ物、食べ方を里佳が体験し、梶井に伝えるのだ。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。

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世界35ヶ国で翻訳決定。 イギリスの各書店がノミネート作を選出し、読者の投票によって結果が決まる「Books Are My Bag Readers Award 2024」の「Breakthrough Author」を受賞。またイギリスの大手書店チェーンWaterstoneが選ぶ「Waterstones Book of the Year 2024」を受賞。

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最近、全く読書してないので、今年は映画鑑賞だけでなく、小説も読もうと思っています。「BUTTER」は昨年の秋に買って、ようやく読了。海外で話題ということで読み始めたのですが、さてさて、面白いかと言われると、まあまあ、★★☆ みたいな感想です。

イギリスの有名なアワードを受賞しているので、傑作!なのでしょうが、著者も主人公も女性で、 日本の性差別やボディシェイミング(体型批判)、古いジェンダーロールを批判するフェミニズム文学として注目を浴びていることもあり、男性読者からすると物語への自己投影が難しいですね。

※小説一冊目

 

 

アバター ファイヤー・アンド・アッシュ

アバター ファイヤー・アンド・アッシュ 2025年

ジェームズ・キャメロン監督作

物語

パンドラの先住民ナヴィの生き方に共感し、自らもナヴィとなって彼らとともに生きる道を選んだジェイク・サリー。人類の侵略によって神聖な森を追われたジェイクと家族、仲間たちは、海の部族メトカイナ族と共闘し、多くの犠牲を払いながらも人類を退けることに成功した。しかし、そんなジェイクたちが、今度は灰の部族アッシュ族と対峙することになる。アッシュ族は過去に、パンドラの調和を司る神のような存在である「エイワ」に何らかの裏切りを受け、絶望していた。静かに、しかし激しく怒りを燃やすアッシュ族のリーダー、ヴァランに、ジェイクの因縁の敵であり、自らもナヴィとなったクオリッチ大佐が近づく。両者が手を組むことで、ジェイクたちサリー一家を追い詰めていく。

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今年、一本目の映画はアバター。シリーズ3作目になりますが、キャメロン監督のライフワークとも言えるシリーズで手抜き無し。

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第1作、2作で登場したキャラクターに加えて、新しくアッシュ族が登場、スカイピープル(人類)の中の対立など、第3作目でドラマの構造が面白くなってきました。キャメロン監督はシリーズが第5作まで続くことを公表していますが、興行収入次第では製作断念するかもしれない、とのこと。是非、シリーズ完結させて頂きたいと思います。

※2026年の映画鑑賞。1本目

 

 

2026年 謹賀新年

明けまして、おめでとうございます。

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毎年、なんか映画観たり、漫画読んだりを

目標としています。

あくせく、ぎちぎち、ではなく、

のんびり、ゆるゆる、したいものです。

 

さて、最近、ロシア、中国、アメリカと

現実の世界がきな臭くなってきました。

世界の平和を祈り、🙏

新年のご挨拶とさせていただきます。

本年もよろしくお願いします。

雑記 : 2025年、今年観た映画

一年が経つのが早くて、早くて。毎年、年末に今年観た映画を振り返るのですが、今年も29本しか観ていなくて、来年はもっと頑張って観ないといけないない、とか思う次第です。

今年観た映画ベスト5

第一位 国宝

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流行語大賞にもノミネートされた「国宝」。興行収入は 邦画実写での歴代No.1の180億円。日本映画の歴史に残る作品でした。

第二位 アラビアのロレンス

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名匠デビッド・リーン監督の1962年の傑作。4K劇場作品として鑑賞したが、やはり大スクリーンで見るべき映画です。素晴らしかった。

第三位 鬼滅の刃 無限城編

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今年はアニメが大健闘。「鬼滅の刃 」は、アニメとしての完成度が高く、ストーリーを知っていても面白かった。興行的にも大成功しており日本アニメ史に残る作品であったと思います。

第四位  サンダカン八番娼館 望郷

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1974年の作品。 "からゆきさん”と呼ばれた日本人娼婦を題材にした作品。田中絹代の演技が迫真に迫り、心をうつ作品でした。この作品は私の生涯でもベストに入るかと思います。

第五位  父ありき

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小津安二郎監督の戦時中(1942年)作品。尺は短いのだが、親の愛情を思うと感動して涙が出てきました。1936年の「一人息子」と並んで好きな作品です。

番外 メガロポリス

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 構想40年、巨匠コッポラが私財を投げうって製作した作品。興行的に大コケながら、コッポラ監督がやりたいようにやった怪作でした。

 

おしまい

マイ ビューティフル ガーデン

マイ ビューティフル ガーデン 2016年

サイモン・アバウド監督

物語

いつも同じ生活スタイルを貫くことにこだわる変わり者のベラは、庭付きの部屋に暮らしているが、植物恐怖症の彼女にとって庭はありがた迷惑なだけ。一方、美しい庭を愛する偏屈な隣人のアルフィーは、庭を荒れ放題にさせているベラの存在が目障りだった。そんなある日、庭を綺麗にしなければ部屋を出て行くよう家主に言われてしまったベラは、アルフィーの弱点を掴み、お互いの利害関係のために2人で庭作りに取り組み始めるが……

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人気ドラマ「ダウントン・アビー」のジェシカ・ブラウン・フィンドレイがベラ役を演じるほか、トム・ウィルキンソン、「シャーロック」のアンドリュー・スコットらが共演。

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イギリス的な風変わりな人物が登場する、緩いラブコメで、これまたガーデニングに対するイギリス人の愛情を感じる印象的な映画でした、、

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ちょっと変わったベラを演じるジェシカ・ブラウン・フィンドレイが魅力的でした。

※今年29本目の映画鑑賞。

夏に観たのですが投稿してなかった。いい映画なんですが、緩いラブコメで観終わった感も薄いかな。

 

果てしなきスカーレット

果てしなきスカーレット  2025年

細田 守監督

物語

父の敵への復讐に失敗した王女・スカーレットは、《死者の国》で目を覚ます。ここは、人々が略奪と暴力に明け暮れ、力のない者や傷ついた者は〈虚無〉となり、その存在が消えてしまうという異世界。敵である、父を殺して王位を奪った叔父・クローディアスもまたこの世界に居ることを知り、スカーレットは改めて復讐を強く胸に誓う。そんな中彼女は、現代の日本からやってきた看護師・聖と出会う。時を超えて出会った二人は、最初は衝突しながらも、《死者の国》を共に旅することに。

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スタジオ地図細田守監督の最新作。「竜とそばかすの姫」で大ヒットした細田守監督が世界に向けて作った作品。ソニーピクチャーズが海外配給をする予定であるが、本国の日本上映で酷評の嵐に…、あまり酷評が多いので逆に興味が湧いて観にいきましたよ。

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結構、面白かった。作品のメッセージ、復讐劇という骨太なストーリーライン、細田監督の何か吹っ切れたような新境地が見える作品でした。映像的にも背景CGを使ったり、モーションアクターを起用したダンスシーンなど新しい表現にチャレンジしている。個人的には今までの細田作品より好きかもしれない。

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SNSでの酷評ぶりも理解る。第一に、主人公が16世紀のデンマークのお姫様で、ヒロインの相手が現代日本の看護師って設定に無理があるし、聖さんは真面目でいい奴だがキャラが立っていない。ラブストーリーなら0点でしょう。

あと世界観がぐちゃぐちゃ、あまりぐちゃぐちゃなので解説婆さんを登場させる始末…。

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どこかで観たような、、

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しかし、細田守監督って、宮崎駿の呪縛から抜け切れないな、「果てしなきスカーレット」って、「果てしなきジブリ愛」かと思っちゃた。

※今年28本目の映画鑑賞。