闇の列車、光の旅 2008年
キャリー・ジョージ・フクナガ監督
物語
ホンジュラス出身の少女サイラ。アメリカという約束の地をめざし、父と叔父と共に故郷を旅立った彼女は、多くの移民たちがひしめきあう列車の屋根の上で、カスペルという名のメキシコ人青年と運命の出会いを果たす。彼は、強盗目的で列車に乗り込んだギャングの一員。だが、サイラにとっては命の恩人となる。彼女に暴行を加えようとしたギャングのリーダーを殺したからだ。その結果、裏切り者として組織から追われることになったカスペルと、彼に信頼と淡い恋心を寄せ、行動を共にするサイラ。途中で列車を降りた2人は、トラックで国境を目指すのだが……
ギャングの少年アメリカへ移民しようとする少女の物語。原題はシン・ノンブレ(名もなき人)。邦題がカッコいい。サンダンス映画祭で監督賞を受賞。
偉くなるにつれ、入墨が増えるメキシコのギャング団。入団には13秒間、殴られ続けて死なないことが条件になる。ヤバい奴らだ。
ホンジュラスからメキシコを通過する列車に乗ってアメリカを目指す移民。ホンジュラスは経済が弱く、国民の6割にあたる貧困層は日々の食事すら困る状態だそうだ。
彼女をリーダーに殺されカスペルは列車強盗の際にリーダーを殺してしまい、組織に追われる身になる。カスペルを演じるエドガル・フローリーズは憂いがあって渋いね。ジェームズ・ディーンみたい。
組織に追われるギャングの末路は決まっている。カスペルとサイラの愛が切なく哀しい。
なかなか、いい映画でしたよ。
※今年224本目の映画鑑賞。