第三の男 1949年
キャロル・リード監督
物語
第二次大戦後のウィーン。親友のハリー・ライムの招きでこの街を訪れた作家のマーチンは、到着早々、ハリーが死亡したことを知らされる。ハリーの死には三人の男が立ち会っていたと言うのだが、その三番目の男の正体を追って、マーチンは独自の調査を開始する。
アントン・カラスのツィター演奏によるテーマ音楽はヱビスビールのCM曲でお馴染みだが、映画を観たことがなかった。初鑑賞。
ストーリーは意外にシンプルです。序盤は探偵風ミステリーですが、第三の男の正体が判ってからはサスペンスドラマになります。
むしろ主人公のマーチンとハリー・ライムの恋人のアンナ・シュミットの複雑な心情の方が、映画を味わい深いものにしています。
映像的にハッとするシーンが多い。サスペンス映画ではヒチコックが有名だが、カメラワークなどはヒチコックにも劣らない。サスペンスシーンより叙情性のあるラストシーンに感銘を受けた。素晴らしかった。
本作は第三回カンヌ映画祭でグランプリを取った。キャロル・リード監督は、「オリバー」で1968年にアカデミー監督賞を受賞している。
こちらも観たことがない。また観たい映画が増えてしまった。楽しみが多い。
※今年33本目の映画鑑賞