[水の中のナイフ 1962年
物語
週末をヨット遊びで過ごすため、湖に向かっていた夫婦、アンジェイとクリスティーナ。夫のアンジェイはヒッチハイクで拾った青年を、興でヨットに誘うのだった。
ポーランドのロマン・ポランスキー監督の名を世界に知らしめた長編処女作。
ポランスキー監督のデビュー作です。(この前観た「袋小路」は3作目)。
デビュー作だからあまり予算はなかったのだと思います。役者は3人だけ、撮影もほとんどヨットの上だけですが、監督の才能でしょうね、クルージングという別世界感、音楽のジャズもオシャレで「低予算」を感じさせません。(1960年の「太陽がいっぱい」に影響を受けたのかな。)少人数と密室感を活かた緊張感ある心理サスペンスに仕上がっています。
一本のナイフがもたらす緊張感。物騒なナイフの登場でドラマの雰囲気が変わる。観客は、この後の不吉な展開を想像して、さりげないシーンにすらハラハラしてしまうのですが、小道具の使い方がヒチコックを彷彿させます。
ラストシーンいいね。人生の岐路とも言える標識。どちらを選ぶのか?哲学的なエンディングです。単なるサスペンス映画ではなかった。やっぱりポランスキー凄いな。
※今年28本目の映画鑑賞。