コレヒドール戦記 1945年
ジョン・フォード監督
物語
太平洋戦争中、ブリックリー大尉率いる第3哨戒魚雷艇隊はマニラ湾哨戒と伝令の任務を与えられる。そんななか、日本の爆撃でライアン中尉が負傷、病院に送られた彼は看護師・サンディと恋仲になる。その頃、ブリックリーには日本巡洋艦攻撃の命が下っていた。
ウィリアム・M・ホワイトのベストセラー小説を原作にした戦争映画。太平洋戦争における敗色濃厚なフィリピンにおいての兵士たちの苦戦ぶりを描いている。
原題は「They Were Expendable(兵士は消耗品であった)」。日本軍に惨敗したアメリカ兵の無念さが滲み出るタイトルだ。読んでいないが1942年に出版された小説は敵国日本への報復を決意させるプロパガンダ的な内容だっただろうと想像する。
映画は戦争終結後に公開されており日本への敵意を煽る内容ではない。戦死した兵士への敬意と哀悼がテーマになっている。
ジョン・ウェインが主演しているせいか西部劇のように見える。実際のところ、日本軍もインディアンも(当時の)白人至上主義のアメリカ人には変わらないのだろうが、日本人としては複雑な気分にはなる。
ジョン・ウェインとドナ・リードの戦場のロマンスも描かれるが、戦場の混乱の中、ドナ・リードは行方不明になるという中途半端な終わり方でストーリーに絡まない。彼女こそ映画の広告用の消耗品(Expendable)に違いない…。
映画としては面白くないが、フィリピンでの戦争を知る意味では勉強になった。
今年198本目の映画鑑賞。