枯れ葉 2023年
アキ・カリウスマキ監督
物語
スーパーマーケットでパートとして働くアンサ。工場労働者のホラッパ。孤独な日々を送っていた二人は、カラオケバーで出会い、お互い名前も連絡先も知らないまま恋に落ちる。さまざまなトラブルを乗り越えて関係を深めていく二人だが厳しい現実が訪れる
フィンランドの名匠アキ・カウリスマキの最後の監督作品。 前作の引退宣言を撤回して製作した。作品の背後で流れる、ロシアのウクライナ侵攻を告げるラジオのニュースに、引退宣言を撤回した理由がある気がした。
監督メッセージ(引用)
「取るに足らないバイオレンス映画を作っては自分の評価を怪しくしてきた私ですが、無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさして、ついに人類に未来をもたらすかもしれないテーマ、すなわち愛を求める心、連帯、希望、そして他人や自然といった全ての生きるものと死んだものへの敬意、そんなことを物語として描くことにしました。それこそが語るに足るものだという前提で。
この映画では、我が家の神様、ブレッソン、小津、チャップリンへ、私のいささか小さな帽子を脱いでささやかな敬意を捧げてみました。しかしそれが無残にも失敗したのは全てが私の責任です。
アンサの飼い犬の名前がチャップリン。なんとなくモダン・タイムズを彷彿させるシーンもあり、楽しませていただきました。
※今年10本目の映画鑑賞。