ハムレット・ゴーズ・ビジネス 1987年
物語
社長である父親が毒殺され、会社を引き継いだハムレット。彼は重役の娘オフィーリアに思いを寄せていた。だが彼女との恋がうまくいかず苦しんでいた。
カウリスマキ映画。監督にとって初の長編作品となった「罪と罰」(1983)と同じく古典文学であるシェークスピアの「ハムレット」からの翻案。
モノクロで撮られていて、カウリスマキ監督の映像センスが際立つ。セリフの少なさや、淡々としたリズムもいい。
ストーリーの方は、原作同様に殺し殺されの悲劇だけど”パロディ”の趣きがあります。
ハムレットを演じるピルッカ=ペッカ・ペテリウスの仰々しさはシュールだし、会社の商品であるビニールのアヒルや、ジューク・ボックスの殺人などユーモアがあります。
ドラマ自体はシリアスな展開ですが、ラストのブラックなオチには苦笑しました。これもコメディだったのですね。
※今年211本目の映画鑑賞。