ポスト宮崎駿監督とは、芸術的な評価も高く商業的にも成功する、子供は勿論、大人が見ても楽しめる、そんなアニメ作品をコンスタントに製作できる監督。無茶苦茶ハードル高い。
ポスト宮崎監督として名前があがる監督たち。
①新海 誠 監督 44才
ほしのこえ 2002年
雲のむこう、約束の場所 2004年
秒速5センチメートル 2007年
星を追う子ども 2011年
言の葉の庭 2013年
君の名は。 2016年
2016年「君の名は。」が空前のヒット。国内興行収入ランキングで「もののけ姫」や「ハウルの動く城」を抜いて歴代4位となる。
新海監督のことは「君の名は。」が出るまで全然知りませでんしたが、インディーズでアニメ制作をし多くの賞を獲得するなど知る人ぞ知る方だったそうです。既に次回作の制作中とのこと。どんな作品を発表するのか気になります。
新海監督はポスト宮崎監督と言われることについては、「過大評価。あのような仕事ができる人は、これまでもこの先もいないだろうと単純に思います。ただ、アニメーション監督を仕事に選んでしまった以上は作り続けていくしかないので、違うものを目指す」とインタビューに応えている。
②細田 守監督 50才
時をかける少女 2007年
サマーウォーズ 2010年
おおかみこどもの雨と雪 2013年
バケモノの子 2015年
サマーウォーズは劇場で観ました。このシーンが良かったですね。
細田監督は「カリオストロの城」を見てアニメーターを目指し、大学卒業後、スタジオタジオジブリの研修生採用試験を受けます。不採用となるが、宮崎駿氏から「君のような人間を入れると、かえって君の才能を削ぐと考えて、入れるのをやめた」という手紙を貰った逸話がある。(その後、東映動画にアニメーターとして入社)
また2001年、引退を宣言していた宮崎監督の代わって、スタジオジブリから「ハウルの動く城」の監督を任されるが、ジブリ側の事情で企画がストップして解任されてしまう。ジブリとは縁が悪いらしい。
細田監督の作品は子供が観ることを前提としている。作風こそ違うが、作品製作に対する姿勢ではポスト宮崎監督という雰囲気がある。作品も一作ごと進化している。
③米林 宏昌 監督 44才
借りぐらしのアリエッティ 2010年
思い出のマーニー 2014年
メアリと魔女の花 2017年
スタジオジブリにいてジブリ作品の制作に関わってきた人なので、ポスト宮崎駿に一番近い人ですが、「メアリと魔女な花」はスタジオジブリのジェネリック作品と揶揄されています。映像に対する感性はジブリ直伝の本物なので、いい作品を作り続けて欲しいです。
④宮崎吾朗 監督
ゲド戦記 2006年
コクリコ坂から 2011年
山賊の娘ローニャ TV 2014年
宮崎駿さんの長男。「コクリコ坂から」は第35回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。「山賊のローニャ」では国際エミー賞アニメーション部門で最優秀作品賞を受賞。
建築デザイナーの仕事をしていたが、ジブリの鈴木敏夫プロデューサーがスカウトしてアニメ製作に関わることになった。宮崎駿監督は猛反対したが、吾朗監督の絵を見て黙ったという。
一作目「ゲド戦記」はジブリ作品ということで興行収入は高かったが評価は最低でした。二作目「コクリコ坂から」は宮崎駿監督が企画・脚本を担当し、日本アカデミー賞を受賞、正直まあまあの評価でした。
世間では親の七光りと言われていますが、鈴木敏夫プロデューサーが見い出した何かはあるのだと思います。ジブリから離れて製作した「山賊のローニャ」がエミー賞を受賞しています。蛙の子は蛙、でしょうか。
おしまい