雨の朝パリに死す 1954年
物語
終戦の日のパリで元従軍記者のチャールズは美しい娘ヘレンと出会い、劇的にゴールインする。ヘレンの姉マリオンもチャールズを愛していたが、傷心を抱えたままクロードと結婚。妹夫婦には娘ヴィッキーが誕生したが、奔放なヘレンは毎夜遊び歩き、家に寄りつかない。そのうち、夫も酒に溺れるようになる。ヘレンは病床に就きやがて死に、娘は姉夫婦のもとで育てられることに…
「華麗なるギャツビー」で知られたスコット・フィッツジェラルドの短篇小説「バビロン再訪」の時代設定を第二次世界大戦後に移して映画化した作品。
主演はエリザベス・テイラーとヴァン・ジョンソン。エリザベス・テイラーまだ若いがしっかりした演技。二人の関係の変化やヘレンの内面が伝わってくる。
ヴァン・ジョンソンもいい演技ですね。ラストシーンが涙を誘います。
チャールズとヘレンは、当時アルコール中毒だったスコット・フィッツジェラルド自身と奔放な妻ゼルダが投影されているようです。
スコットとゼルダはジャズエイジ(1920年代のバブル景気)の寵児として、夜な夜なパーティに繰り出していましたが、1929年の大恐慌により生活は一転、スコットの小説も売れなくなり借金生活に陥ります。ゼルダは情緒不安からサナトリウムへ入院し、フィッツジェラルドは44歳で心筋梗塞で亡くなっています。
言ってしまえばメロドラマですが、しっとりしたいい映画でした。
※今年54本目の映画鑑賞