金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

アメリカの夜

 アメリカの夜      1973年

フランソワ・トリュフォー監督
物語
ニースのスタジオ、ラ・ビクトワール。ここで、ハリウッドの女優ジュリー・ベイカーを招いた、フェラン監督の新作「パメラを紹介します」の撮影が始まった。これは、夫の父親と恋に落ちてしまう若い人妻パメラを主人公にしたメロドラマだ。しかし、撮影の方はなかなかはかどらない。停電によって現像前のフィルムがダメになったり、セリフを忘れてしまう中年の女優、出番をほったらかして女を追いかけるわがままな男優、役目を果たしていないスタントマンと駆け落ちするスクリプト、言うことをきかない猫の演技づけ…

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アメリカの夜」とは昼間の撮影でフィルターをつけて夜のシーンにする映画の撮影技。なかなかロマンチックな呼び名ですね。ロマンス映画かと思いましたが、映画製作の苦労話を描いた作品でした、トリュフォー監督の「映画愛」を感じます。

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映画って、脚本と役者とカメラマン、あと美術がいれば出来ると思ってしまいますが、この映画を観ると監督の仕事が分かります。

劇中劇「パメラによろしく」が完成すると映画監督になったような気がす。まさに映画ファンのための映画です。

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映画の撮影中でもセックスが出てくるところがフランスっぽい。いろいろなエピソードがポエムのように展開するところが、トリュフォーらしくて芸術的でした。

※今年81本目の映画鑑賞