マイノリティ・レポート 2002年
スピルバーグ監督
物語
時は西暦2045年。実験的にスタートした犯罪撲滅のための試みは大きな成果を挙げていました。その要にあるのが、未来を透視し凶悪事件を起こす前に犯人を逮捕してしまう犯罪予防システム。ところがその運用の中心人物だった主人公自身が突然、殺人者予備軍として告発されてしまいます。 追う立場から追われる立場へ。
フィリップ・K・ディック(ブレード・ランナーやトータル・リコールの作者)の原作を映画したもので、ディストピア的な未来社会を舞台に描いたサスペンス作品。
この映画が公開された2002年は未だスマホも存在していませんでしたが、この10数年でAIなどの情報技術が進歩し映画で描かれた社会が実現しているので恐い気がしました。
監視カメラで不審者を検知するシステムはソチ・オリンピックで利用され実際に犯罪防止に実績を出しています。
万引きなどの挙動不審者を検知するシステムも普及しています。
犯罪の起きる場所や時刻を予想するシステムも実用化されています。
中国では2000万台以上のハイテクカメラが国民を監視していて、5万人の人が集まるコンサート会場で犯人を逮捕するなど実績を上げています。中国は免許証の写真を犯罪捜査に利用できるのです。
映画の内容から話題がずれましたが、SF映画はフィクションという形で未来の社会で起こりうることを洞察します。
「犯罪のない安全で安心な社会」というユートピアは「極端なまでの管理社会や深刻な人権侵害が発生する」ディストピアと表裏一体だと本作は警告しています。
※今年96本目の映画観賞。