靴磨き 1946年
物語
戦後の混乱期、靴みがきをして生計を立てている二人の少年は、貸馬屋の馬を買い取る夢を実現させるため、闇商売の仕事を手伝い、それが元で逮捕されてしまう。
さらに背後にいる首謀者を白状させようと、なかなか口を割らない二人に取調官は少年の1人を拷問すると見せかけ、もう1人の口を割らす。一転して彼らの友情は壊れ、親友だった相手を憎むようになっていく。
イタリア・ネオレアリズモの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「自転車泥棒」と並ぶ、初期の名作。
荒廃した敗戦国イタリアで、靴磨きなどで生計を立てる戦災孤児たちの物語。パスクアーレとジュゼッペの二人の少年は大の仲よしだが、犯罪に巻き込まれて投獄されてしまう。
弁護士が、少年達の問うべきは罪を裁くのではなく、孤児を生み出した社会の責任と訴えるシーンが印象に残る。
分からないけど少年院を描いた映画って本作が最初かな…。
日本もそうだったが、終戦後、親を失った戦争孤児が路上に溢れたが、国も大人め彼らを保護できず、犯罪に走る子どもたちは排除・取締りの対象になったそうです。当時の様子を知らない自分には劇画的に見える物語だけど、この作品がレアリズモと考えると悲しい。
映画に登場した馬は、希望のシンボルなのかと思います。ラストで、この馬が少年から去ってしまうシーンが印象的でした。絶望的ですが、未来への願いが残されているように見えました。
※今年46本目の映画鑑賞。