稲妻 1952年
成瀬巳喜男監督
物語
はとバスのガイドをしている清子は、未だに就職先の決まらない兄嘉助、それぞれ結婚している長姉の縫子、次姉の光子の四人兄妹。母おせいがお腹をいためた子供であったが、四人とも父が違っていた。縫子が清子に両国のパン屋の綱吉との縁談を持って来たが、清子には縫子夫婦が、それを種に金儲けのうまい綱吉を利用しようとしているようだ…
成瀬巳喜男監督の作品はこれが初めてです。
小津安二郎の映画も晩春(1949)以降の作品は全部観てしまい、成瀬巳喜男に手を出したと言ったら成瀬監督に失礼でしょうが、これが観たらなかなか面白かった。
小津安二郎と作風が似ているようで、似ていない、ヤルセナキオ”とあだ名されていたのが、なんか分かる気がしました。
主演の高峰秀子さんと母親の浦辺粂子さんのやりとりが良かった。タイトルの「稲妻」は抑えていた感情が弾ける瞬間を例えたものでしょうが、実際に稲光りするシーンがあり心情を重ね合わるようで印象的でした。どうしようもない人間模様ですが、ラストは親子の愛情を感じさせるいい映画でした。
また映画を観る楽しみが増えました。
※今年161本目の映画観賞