金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

山の音

山の音                   1954年

成瀬巳喜男 監督

物語

 戦後間もない鎌倉で息子夫婦と同居する信吾。不実な夫の仕打ちに耐え続ける嫁・菊子を不憫に思い、いろいろと信吾が彼女を気遣う中、菊子の妊娠が発覚する。

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川端康成の小説を成瀬巳喜男監督が映画化した文芸作品。

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成瀬巳喜男監督の映画も、だいぶ観てきましたが、代表作と言われる「浮雲」に負けない名作です。主演の原節子上原謙も良かったですが、信吾を演じる山村聰の繊細な演技に感動しました。

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ネタバレになりますが、菊子は修一と別れることを決意します。原作小説と異なる終わり方だが、映画としては、すっきりしていて良いように思います。成瀬監督の映画センスが光っています。

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素晴らしい映画なのに然程有名でないのが残念だ。川端康成の原作と比較されたり、雰囲気が似ている小津安二郎監督の「東京物語」と比較されるかだろうか。世の評価は別にして、いい映画だった。

※今年200本目の映画鑑賞。