オペラハット 1936年
フランク・キャプラ監督
物語
ヴァーモントの田舎町で油脂工場を営むディーズ氏のもとに、母の兄にあたる大富豪の遺産が転がり込む。ディーズはニューヨークにある彼の屋敷も手に入れるが、さっそく金目あての亡者どもが集まってきて大騒ぎに。
女だてらに猛烈な取材ぶりで有名な新聞記者ベイブは行き倒れを装ってまでしてディーズに接近し、彼の記事を書くことに成功する。
だがディーズは彼女が本性を隠しているとも知らずにベイブのことを愛し始めていた。そして、富豪の財産を狙う一味はディーズを罠に落とそうとよからぬ相談を始めていた…
ゲイリー・クーパーとジーン・アーサーが出演したロマンチック・コメディ。大不況で失業者が溢れた時代の話で遺産相続で富豪になった青年がニューヨークへ行く話で、1939年の「スミス都へ行く」と姉妹作みたいな内容です。
ジーン・アーサーは顔も綺麗だけど、特徴があるのはハスキーボイス。キャリアウーマンなど現代的な女性の役を得意とした。
ゲイリー・クーパーは数々の名作に出演したハリウッドスター。二枚目だけでなく演技も心憎い。本作でもアカデミー主演男優賞にノミネートされている。
仕事を求めてディーズ氏の邸宅に群がる失業者は「シンドラーのリスト」のよう。当時の不況がいかに深刻だったかが分かり、喜劇ながら重たい感じがしました。
ドラマの見せ場となる法廷劇でのディーズの反撃は痛快。笑いました。ラストは明るい気分にさせてくれます。
※今年51本目の映画鑑賞