鴛鴦歌合戦 1939年
マキノ 雅弘 監督
物語
貧乏浪人・浅井礼三郎(片岡千恵蔵)は、長屋の隣家の娘・お春と恋仲だった。だが、礼三郎に想いを寄せる娘が他にも二人。そのおとみと藤尾はどちらもゆずらず、歌合戦にこと寄せて、皆が集まれば喧嘩が絶えない。ところが峯沢丹波守という陽気な殿様がお春に一目惚れし、お屋敷へ差し出すよう申しつけた。お春の父はそれを断わるが……
この映画は、戦前(1939年12月)に制作されたお正月映画で、長い間、注目を浴びなかったのですが、1985年のマキノ監督映画祭で上映されて脚光を浴びることになったそうです。
鴛鴦は”おしどり”と読むのですね。(読めませんでした)片岡千恵蔵をめぐり、お春とお富が恋の鞘当てをする中、お殿様がお春を見初めて…というもの。戦前の作品とは思えない軽妙なコメディセンスとテンポに驚きました。
時代劇オペレッタ(歌唱劇)です。ジャズや流行歌謡を巧みに取り入れていてモダンな感じです。小道具の日傘が、ジーンケリーの「雨に唄えば」みたいです。
日本の映画史に残る一本かと思います。
※今年45本目の映画鑑賞。