金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

東京暮色

東京暮色                 1957年

小津安二郎監督

物語

銀行員の杉山は、同居する次女・明子を心配している。母親の愛を知らずに育った明子はその寂しさを紛らすように複数の男と遊び歩いていた。そんなある日、明子は妊娠していることに気づき…。

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この映画は原節子さんも出演していますが、有馬稲子さんがヒロイン。岸恵子をイメージしてシナリオが書かれたが、雪国の撮影が伸び岸恵子が出演できず代役で有馬稲子さんが選ばれたそうです。

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東京暮色は小津安二郎監督の作品の中でも、異色作、問題作と評価されている。

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何が問題なのだろう?一言で言えば、「暗くて、やりきれない」話だからだ。

ただ暗いから駄目なのではない。小津安二郎作品の底流には、いつも口に出せない不安とか寂しさがあるが、淡々とした作風との絶妙なバランスで、登場人物に静かに寄り添うような情感を引き出している。

しかし、本作はその微妙なバランスが崩れている。ヒロインの境遇が不憫過ぎて、淡々した作風が、むしろ冷淡さや不条理さを感じさせているように思う。バランスが悪いのだ。

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悪く書いたが、起伏のある筋書きで、紀子三部作より面白く感じるところもあった。

まだ見ていない作品が多いのですが、小津映画の最北端を観たような感じです。

※今年82本目の映画鑑賞

 

 

 

 

最後から二番目の恋

最後から二番目の恋

物語

古都・鎌倉を舞台とした45歳独身女性と50歳独身男性が繰り広げる恋愛青春コメディ

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「海街 diary」と同じく鎌倉を舞台にしたテレビドラマ。中井貴一さんと小泉今日子さんの息の合った掛け合いが面白かった。

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鎌倉って、雰囲気いいんだよね。ドラマに合うロケ地がたくさんある。

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大人の恋っていいな、と思わせるドラマでした。名物の酔っぱらいシーン。最高!


Yael Naim - Go To The River

ヤエルナイムさんの挿入歌も良かった。

本当に、いいドラマだったな…

 

 

 

 

 

 

 

海街 diary

海街 diary        2015年

是枝裕和監督

物語

鎌倉で暮らす、幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)。そんな彼女たちのもとに、15年前に姿を消した父親が亡くなったという知らせが届く。葬儀が執り行われる山形へと向かった三人は、そこで父とほかの女性の間に生まれた異母妹すず(広瀬すず)と対面する。身寄りがいなくなったすずに、幸は、彼女に鎌倉で自分たちと一緒に暮らさないかと持ち掛ける。こうして鎌倉での生活がスタートするが……。

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是枝裕和監督「万引き家族」がカンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞したので、前から気になっていた是枝監督の「海街 diary」を見てみました。

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三姉妹と腹ちがいの妹が、一緒に暮らし始めて次第に本当の姉妹のように気持ちが通い合う話なんですが、なんかメリハリがない。

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メリハリがない原因は綾瀬はるかさんの演技力不足かな。

幸の複雑な性格とか、すずと暮らすようになってからの心境の変化とか、しっかりと表現できていたら感動的な映画なんだけどな。惜しい。

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広瀬すずさん可愛いいですね。桜の道をボーイフレンドの自転車でサイクリングするシーンは美しかった。

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佳野(長澤まさみ)、千佳(夏帆)は好演。姉妹の性格の差がよく出ていて良かったと思います。

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鎌倉の四季など情緒あふれるシーンがたくさんあって、いい感じの映画でした。

 

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おまけ。姉妹の母(大竹しのぶ)。わずかな出番でキャラの過去すら感じさせる。やっぱり大女優です。

 

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登場人物も多く、2時間の映画では理解できないところが多くありました。

メリハリがなく少し退屈でしたが、作品の世界観は魅力的で十分に楽しめました。今度、吉田秋生さんの原作漫画を読んでみたいと思います。

ちなみに、海街 diary は、6月9日にテレビ放送が予定されています。

※今年81本目の映画鑑賞

 

 

クラッシュ

クラッシュ         2004年

ポール・ハギス監督

物語

クリスマスを間近に控えたロサンゼルスで発生した1つの交通事故を起点に、多民族国家であるアメリカで暮らす様々な人々を取り巻く差別、偏見、憎悪、そして繋がりを描く。

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2006年、第78回アカデミー賞の作品賞を受賞した作品。人種差別を扱ったドラマで、主人公は無く、様々な人物とエピソードが交差して物語が進む。

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警察官の話が一番印象的だ。人種差別的な警官が黒人を事故車両から救出する。

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一方、人種差別を普段から嫌っていた同僚の若い警察官は黒人を射殺してしまう。皮肉な話であるが、どんな人間にも心の底に偏見や差別心があるということを考えさせられる。

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ペルシャ人店主とメキシコ人錠前屋の話も印象的でした。このエピソードはクリスマスの奇跡みたいな話ですが、スリリングで面白かった。

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ドラマはクリスマスの時期に設定されており、差別による様々な不幸に対する「神への祈り」が描かれます。ラストシーンのロサンゼルスに降る雪は感動的です。

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アメリカ社会の問題を扱った映画なので、僕には理解が及ばないところもあるが、普通に良いヒューマン・ドラマという印象。

突き抜けた感じがなく、アカデミー賞の最高作品賞とは名前負けしている気がするが、ストーリーテリングは上手で同時に受賞した脚本賞は納得。

※今年80本目の映画鑑賞

 

 

 

ねらわれた学園

ねらわれた学園       1981年

大林 宣彦監督

物語

高校2年生の三田村由香は、自分が超能力を持っていることに気づく。そんな中、由香のクラスに高見沢みちるという少女が転入してくる。みちるは超能力を使って生徒会長の座につき、自分の思うままに学園を支配していく。やがて由香は、すべての元凶が謎の少年・魔王子率いる「英光塾」にあることを突き止め……。

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1980年代、角川映画が人気でした。薬師丸ひろ子かとか原田知世、渡辺典子など新しいタイプの女優を発掘してきてヒットさせていた。

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美人でないけど可愛いみたいな。魅力とは、まさに魅きつける力ですね。

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手塚眞さん。手塚治虫さんの長男ですが、キモい生徒の役を好演していました。

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星の魔王子(峰岸徹)のB級感がハンパない。作品全体も漫画チックな演出だが、これは笑うしかない。

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薬師丸ひろ子ありきの映画だけど、その一点はブレていない。アイドルを引き立てることだけを考えた映画じゃないかな。

※今年79本目の映画鑑賞

 

 

 

カルメン故郷に帰る

カルメン故郷に帰る    1951年

木下恵介監督

物語

東京でストリッパーをしているハイカラな娘が友達を連れて里帰りしたことから静かな村が大騒ぎになる。

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日本初のカラー映画は、歌あり、踊りあり、笑いありの娯楽作品でした。人情味あふれる喜劇で、面白い映画でした。

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「どうだ総天然色だ!」言わんばかりの色鮮やかな衣装。何かやらかしてくれそうです。

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浅間山を背景に、高原でストリップダンス。牧歌性と猥雑さのミスマッチが可笑しい。

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カルメンが昔好きだった春雄は、戦争で失明しオルガン奏者として暮らすが、貧しく借金のかたにオルガンを取られてしまう。

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村で失態があり、カルメンらは名誉挽回と芸術披露を思いつく。これが、春雄のオルガン戻ることつながり、結果的に"一肌脱ぐ"ことになります。

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カルメンと朱美は、トロッコ列車で帰っていく。明るく爽やかなエンディングでした。

 

僕は未だ生まれていませんが、この当時はストリップの黄金時代でした。いやらしいイメージばかりでなく、先進的な文化芸術として、文化人にも愛されています。

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版画家の棟方志功さんは、当時、ストリップの女王と言われたジプシー・ローズさんを「肉体の女神」と讃え、作品アメノウズメのモデルにしています。

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当時の風俗を理解しないと、ヒロインの道化ぶりが可哀相になってしまいますが、当時、カルメンらの「裸の芸術」という主張には支持者もいて、ダンサーには戦後を象徴する解放的な女性のイメージもあったのだろうと思います。

カルメン故郷に帰る、は日本初のカラー映画というだけでなく、内容的にも、当時の風俗や話題を取り入れた斬新な映画でした。

※今年78本目の映画鑑賞

 

 

音曜日 Solid State Survivor

 Solid State Survivor   YMO

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1979年、このアルバムは衝撃的だったな。テクノサウンドという未来の音楽が突然現れた。

Tokio Tokio と始まるアルバムは、日本の音楽が世界を追い越して最先端だと宣言しているようだった。テクノポリスライディーンはFMでかかりまくっていた。

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ビハインド・ザ・マスク は海外でも評価が高くて、マイケル・ジャクソンもカバーした。

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テクノは今ではありふれたサウンドだけど、このアルバムは今聞いても新しく感じる。テクノという仮面の裏に確かなクオリティがあったからなんだよね。

死ぬまで愛するアルバムの一枚です。

 

収録曲
Technopolis 
Absolute Ego Dance
Rydeen
Castalia
Behind The Mask 
Day Tripper
Insomnia 
Solid State Survivor