金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

日々是好日

日々是好日                      2018年

大森立嗣監督

物語

母からお茶を習うことを勧められた大学生の典子は気のない返事をしていたが、お茶を習うことに乗り気になったいとこの美智子に誘われるがまま、流されるように茶道教室に通い出す。見たことも聞いたこともない「決まりごと」だらけのお茶の世界に触れた典子は、それから20数年にわたり武田先生の下に通うこととなる。

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森下典子による自伝エッセイ「日日是好日-お茶が教えてくれた15のしあわせ」を原作とした、映画。

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自伝をもとにした作品で、就職の悩み、失恋、父親との死別などの出来事が、茶道の心とともに語られる。

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樹木希林さんは作品の禅的なテーマを”体現”しているような。絶妙なキャスティング。

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黒木華さんも役にぴったり。演技も素晴らしい。二十歳から四十過ぎまでの典子を成長を上手く演じていました。

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大森立嗣監督の映画は初めて観ました。ライフイベントこそあれ波乱万丈とは言えない自伝と茶道の奥深い世界。難しい作品を映画化したもんだなと感心。やはり樹木希林さんの名演技が良かったです。

※今年9本目の映画鑑賞。

三十九夜

三十九夜                                 1935年

アルフレッド・ヒチコック監督

物語

カナダから帰国した外交官のハネイはロンドンのある劇場でミスター・メモリーという芸人の芸を見物していたが、その最中に殺人事件がおこる。その場に居合わせていたある女がハネイに保護を求めて来たので、ハネイは彼女を自分の部屋に連れて行く。女の名はアナベラ。彼女はイギリスの諜報部員で敵国のスパイに狙われているという。翌朝、彼女は何者かによって背中にナイフを突き立てられ死んでいた。

ハネイは真相を明らかにしようとアナベラが残した手がかりを追ってスコットランドへ向かうが、警察から女の殺人犯として指名手配され、敵国スパイと警察の両方から追われる身となってしまう。

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原作はスコットランドの作家ジョン・バカンが発表した同名の小説。ヒチコックのイギリス時代の作品。この映画でヒチコックは彼のスタイルを確立したと言われる。

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主演はロバート・ドーナット。彼は1939年「チップス先生さようなら」でアカデミー主演男優賞を受賞している。

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ハネイを事件に巻き込む英国の諜報部員アナベラ役のルチー・マンハイム

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ハネイの逃走に巻き込まれるパメラ。殺人犯として追われているハネイを警察に突き出すが、警官を名乗る者が実は敵国スパイの手下。危機を逃れハネイと二人で逃走することに。

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完成度の高いサスペンス映画。コメディ的なところも面白い。後の名作「北北西に進路をとれ」のルーツと言っていいかと思います。

しかし邦題をなぜ「三十九夜」にしたのかは不明。映画会社の方が「夜」にした方が客入りが良くなると思ったのでしょうが…。昔はテキトーですね。

※今年8本目の映画鑑賞。

 

オルフェ

オルフェ                              1950年

ジャン・コクトー監督

物語

主人公のオルフェの通う“詩人カフェ”に“王女”と呼ばれる女性がある夜現われ、オートバイにはねられた詩人セジェストの死体を、オルフェに手伝わせ自分の車に運んだ。車はオルフェも乗せて、彼女の館に。そこでセジェストは蘇り、王女の導きで鏡の中に消えた。後を追うオルフェは鏡にぶつかって気絶する。目覚めれば鏡は消滅している。すっかり王女の美しさに囚われてしまったオルフェは、妻ユリディスの待つ自宅に戻っても虚ろであった…

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フランスの芸術家ジャン・コクトー自ら監督した映画。ギリシャ神話のオルフェウス伝説を基に、死と生の境を彷徨する詩人を描く。

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美しい死神に魅了されてしまう詩人。妖しく耽美な世界感がなんとも言えない。

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突然消える死神や冥界へ向かう路地などプリミティブな”トリック撮影”がいい。子供の頃にみた映画を思い出すが、完璧なCG映像よりイマジネーションを掻き立てられる。モノクロならでは、照明の当て方ひとつで夢幻の世界が作れるんだね。

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死は人にとって大きなテーマ。ギリシャ神話のオルフェウスに、日本神話のイザナギの黄泉下りなど、死者の世界を訪れる神話は世界中にあるようです。面白いのは、死の世界を振り返ってはいけないという点でしょうか、オルフェウスイザナギも約束を守れず振り返ってしまうところでしょうか。死に魅入られないよう前を向いて生きることの大切さを伝えているのではないでしょうかね。

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※今年7本目の映画鑑賞。

フィールド・オブ・ドリームス

フィールド・オブ・ドリームス     1989年

フィル・アルデン・ロビンソン監督

物語

アイオワ州の田舎町に住むレイ・キンセラは、ある日の夕方、トウモロコシ畑を歩いていると「それを作れば、彼が来る」と言うか謎の声を聞く。その言葉から強い力を感じ取った彼は、周囲の人々があざ笑うのをよそに、生活の糧であるトウモロコシ畑を切り開き、小さな野球場を作り上げる。その後しばらく何も起きなかったが、ある日の晩、球界を永久追放され失意のうちに生涯を終えた“シューレスジョー・ジャクソンが現れる。

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イリアム・パトリック・キンセラの小説『シューレス・ジョー』を原作にした映画。第62回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、作曲賞にノミネートされた。

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トウモロコシ畑を潰して作った野球場に亡くなった野球選手が集まってくる。ファンタジー映画ですね。

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まだ観ていない人な為にラストのネタバレはしませんが、感動的なラストで温かな気持ちになります。昔観た時は、いかにもの作り話で退屈な印象でしたが、改めて観ると、アメリカの良心を描いたいい映画ですね。素直にファンタジックです。

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メジャーリーグ・ベースボール(MLB)は今年2020年8月13日に米アイオワ州フィールド・オブ・ドリームス球場で、シカゴ・ホワイトソックスニューヨーク・ヤンキースの公式戦を行います。公開から30年が経っても愛され続ける映画なんですね。

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第62回アカデミー賞で作品賞を獲得したのは「ドライビング miss デイジー」。「フィールド・オブ・ドリームス 」の方がいいと思うんだけどな…

※今年6本目の映画鑑賞。

彼女が消えた浜辺

彼女が消えた浜辺                2009年

アスガー・ファルハディ監督

物語

テヘラン近郊の海辺のリゾート地にバカンスに訪れた男女の中に、セピデーが誘ったエリもいた。 トラブルに見舞われながらも初日は楽しく過ぎ、2日目に事件が起きる。海で幼い子どもがおぼれ、何とか助かったものの、エリの姿がこつ然と消えてしまっていたのだ。

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イランで年間興行収入2位のヒット。2009年ベルリン国際映画祭 最優秀監督賞(銀熊賞)受賞したミステリー作品。

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三家族のバカンスにカスピ海に連れてこられた保育士エリ。子どもが海辺で溺れて大騒ぎになっている隙に行方がわからなくなる。エリは子どもを助けに海に入って溺れたのか?それとも…?

いなくなったエリをきっかけに崩れていく人間関係、さらにエリの婚約者が現れるのだが…

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「僕桐島、部活やめるって」系かな。僕はあまり好きではないけど、”巧い”映画ですね。

バカンスに海に行って騒ぐ家族とかメディアで取り上げられるイスラム国家のイメージとは少し違いますね。

望まない結婚よりも自由を欲しがったエリ。イランでヒットした理由もそのへんかな?

※今年5本目の映画鑑賞。

ウンベルト・D

ウンベルト・D                     1952年

ヴィットリオ・デ・シーカ監督

物語

ローマに暮らす元公務員のウンベルトは愛犬フライクとアパートで暮らしていたが、年金での生活は苦しく、家賃の滞納を理由に20年住んでいるアパートの立ち退きを迫られていた。物を売るなどして部屋代を工面していたが、万策尽きてとうとう出る決意をする・・・

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興行的には振るわなかったが、評価は高く、米タイム誌のオールタイムベスト100にも選ばれた。デ・シーカ監督本人のお気に入りでもある。

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戦後のイタリア。年金がインフレによって目減りし困窮する老紳士を描いた作品。

自転車泥棒、ひまわり、終着駅、とヴィットリオ・デ・シーカの作品を見てきて思うのですが、この監督は泣かせるのが上手い。主人公ののやるせない気持ちが切々と伝わってきます。ネオ・レアリズモの定評もありますが、人物描写の巧さが本領ですね。

 

孤独な老人ウンベルトが心を通わせるのは、愛犬フライクと家主のメイドのマリアだけ。

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マリアは、二人の軍人と付き合って親が判然としない子を身ごもっている。妊娠が家主にバレれば、住み込みのメイドの仕事を失うことになるので希望のある生活ではない。

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愛犬フライクはウンベルトの家族とも言うべき存在。ウンベルト自身も社会から見放された捨て犬のような立場で、次第にウンベルトとフライクが重なって見えてくる。

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このワンちゃん、なかなかの役者。動物とは思えない演技力でした。

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ラストシーンはいいね。先に続く人生を感じさせる。暗い映画だけど希望を感じさせます。一度観たら忘れられない名画ですね。👏

※今年、4本目の映画鑑賞。

休憩: 似ている映画音楽

三連休は旅行していました。映画は休憩。

ある人と映画音楽の話をして気がついたのですが、「大脱走」と「戦場にかける橋」のテーマ曲って、凄く似てますね…。

映画ファンには有名な話かな。


「大脱走マーチ The Great Escape March」


クワイ河マーチ (ミッチ・ミラー楽団)

違うって言えば違うのですが、なんか混乱しそうですよね。

おしまい