金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

世界の黒澤監督 野良犬

野良犬     1949年

物語

終戦直後の東京を舞台に、拳銃を盗まれた若い刑事がベテラン刑事と共に犯人を追い求める姿を描く。

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古いサスペンス映画なので退屈かと思ったが、不思議に面白い。

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犯人と刑事は、両方とも復員した元兵士で同じような経験を持っている。犯人が盗まれた拳銃で凶行を行うたびに、刑事は自分の影が起こした事件のように思い苦悩する。犯人の銃弾は七発あり最期のシーンまでハラハラさせる。

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ベテラン刑事(志村喬)と主人公の若い刑事(三船敏朗)のコンビがいい。相棒みたい。

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 聞き込みなど地道な捜査で犯人を追いかける刑事が、今見ると新鮮な感じ。

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淡路恵子さん、当時16歳でも大人っぽい。二重にびっくり。

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ラストシーン。緊迫する刑事役との対決の場をコントラスティックなお花畑に設定し、優美なピアノ曲と子供達の牧歌的な歌声を背景においています。対位法と言うらしいですが、なかなか印象深いシーンになっています。

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エピローグは警察病院でのベテラン刑事との会話で終わります。ベテラン刑事が主人公に「でもね、窓から外を見たまえ。今日も、あの屋根の下でいろんな事件が起こるだろう」と言いいます。主人公は窓辺に立って外を見ますが、外の景色は映されません。

当時、映画を観た方は、窓の外に、戦争の傷跡が残る街並みや人々の生活、そして、向かうべき明日が映ったのではないでしょうか。

 

今年鑑賞した映画19本目(除く本能寺ホテル

 

休憩 : 明治時代のヒーロー

夏目漱石の「吾輩は猫である」が発表されたのは1905年(明治38年)、明治の終わりの頃に近代的な小説が生まれている。社会に文学を楽しむ中流階級が育ってきていた。

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恐れずに言えば「坊ちゃん」なんかは漫画的だ。アニメ版「坊ちゃん(本宮ひろ志版)」なんかイメージが近い。

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 明治時代は架空の世界ではなく、現実世界にヒーローがたくさんいた。幕末や明治維新には、新撰組勝海舟坂本龍馬西郷隆盛など、後に小説や映画の題材になる人物がたくさんいる。

明治初期の娯楽や報道は、講談や歌舞伎や舞台劇が担っていた。1878年明治10年) - 西南戦争を題材にした実録物『西南雲晴朝東風』が記録的な大当たりとなっている。

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1895年(明治28年)新派の川上音二郎日清戦争を題材にした「威海衛陥落」の演劇上演が成功した。火薬などを使用したリアルな舞台演出が人気になったらしい。

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余談だが、同時期に歌舞伎でも日清戦争劇を演じるがリアリティがなく不評に終わった。それを機に歌舞伎は時事的な演目を敬遠して古典劇として特化していく。

 

日露戦争では、乃木 希典、東郷平八郎などが国民的のヒーローになっている。

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難攻不落の旅順を攻略した乃木大将軍。今では乃木坂46の方が有名だ。

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 日本海海戦でロシア艦隊を破った連合艦隊司令長官 東郷平八郎。戦後の軍国主義批判から日本では忘れられているが、トルコではビールの銘柄にもなるヒーローだ。

 

 

 

休憩 : 戦前のヒーロー

再び、ピンポン

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子供の世界には、いつもヒーローがいる。

戦前にもヒーローはいたのか?

いた!

 黄金バット

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昭和5年、紙芝居作家 永松 健夫氏の作。戦後の妖怪人間ベムとかダークヒーローにつながるデザインですね。

 

大正時代はら国民の教育水準の上昇した結果、一般大衆向けの雑誌が売れるようなっていた。

大正3年(1914年)には少年マガジンの元になる少年倶楽部が発刊された。少年倶楽部は1936年には75万部売れる人気雑誌になった。

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読み物中心の雑誌だが、田河水泡の『のらくろ』を1931年から、島田啓三の『冒険ダン吉』を1933年など漫画も人気となった。

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 江戸川乱歩の少年探偵団など、子供を対象とした推理小説も書かれるようなった。

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真田十勇士

講談を書き起こした、立川文庫により、猿飛佐助や霧隠才蔵など忍者ヒーローもこの時期に生み出された。

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大衆小説(青年雑誌)では、戦後に映画化され人気となる多くの剣士ヒーローが生み出されている。

丹下左膳

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隻眼隻腕の剣士 丹下左膳昭和2年に登場。

鞍馬天狗

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鞍馬天狗大正13年に登場。幕末を舞台に「鞍馬天狗」を名乗る神出鬼没の勤王志士が、幕藩方の新撰組の行く手を阻んで縦横に活躍する。

 旗本退屈男 

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昭和4年に登場。 決め台詞は「この眉間に冴ゆる三日月形は天下御免の向こう傷、直参旗本早乙女主水之介、人呼んで旗本退屈男

 

第二次世界大戦

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第二次世界大戦の混乱と戦後のアメリカナイズで私達の意識はつい戦前と戦後を分けがちですが、大衆娯楽という観点では大正時代に始まり現代まで分断なく受け継がれ発展しています。文化というものは強いものですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秘密戦隊ゴレンジャー

秘密戦隊ゴレンジャー 

物語

世界征服を企み、国際的に暗躍する黒十字軍。彼らの侵攻を食い止めるべく結成された秘密戦隊ゴレンジャーの戦いを描く。

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 スーパー戦隊シリーズの第一号。これも石ノ森章太郎さん原作だったのですね。

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5人で戦うヒーローという意味ではガッチャマンの方が先で、真似ではないのですが、各キャラの性格も、熱血リーダー、クールなサブリーダー、紅一点、猪突猛進、マスコットと、ガッチャマンに似ています。
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集合時の名乗、「5人揃って、ゴレンジャー!」は、歌舞伎の『白浪五人男』からのアイデアだそうです。

なんと元祖5人組ヒ-ロ-は「白浪五人男」でした。 (ちなみに「白浪」は盗賊のことを指す言葉です。)

5人のキャラも不思議にゴレンジャーに似ています。5人チームの黄金バランスなのでしょうか?

[赤]日本駄右衛門      盗賊の首領
[青]忠信利平             神出鬼没の盗賊
[黄]南郷力丸             元漁師の船強盗
[桃]弁天小僧菊之助  女装の怪盗
[緑]赤星十三郎          最年少の盗賊

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しかしヒーローの 決めポーズが歌舞伎が起源とは驚きです。

これも…

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これも…

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みんな歌舞伎だったとは…。

科学忍者隊ガッチャマン

科学忍者隊ガッチャマン

物語

世界征服を企む秘密結社ギャラクターと戦う、5人の少年・少女で結成された科学忍者隊の活躍を描いた作品。 

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タツノコプロの野心作。重厚な人間ドラマとハイレベルな格闘シーンで人気となり、平均視聴率が20%を超えた。

 

原作、キャラクターデザインは吉田 竜夫さん。タツノコプロ創始者

アクションシーンを手抜きせず、通常30分のアニメ番組で使われるセルは3,500枚程度といわれるが、「ガッチャマン」では1本につき4,500枚から6,000枚、ときに1万枚を超えたという。

 

大鷲の健

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コンドルのジョー 

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白鳥のジュン

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燕の甚平

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みみずくの竜

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中性的な敵キャラが斬新でした。

ギャラクターの首領ベルクカッツェ

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子門真人熱唱するガッチャマンopの歌はアニソンの名曲です。

 

 

 

 

 

 

 

人造人間キカイダー

人造人間キカイダー

物語

プロフェッサー・ギル率いる犯罪組織ダークを倒すために光明寺博士に作られた人造人間・キカイダーことジローが不完全な良心回路によって善と悪の狭間で揺さぶられつつも成長し戦ってゆく。

人造人間キカイダー VOL.1 [DVD]

キカイダーは斬新なデザインでカッコ良かった。

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キカイダー

内部のメカが見えるデザインがクール

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ハカイダー(しかし分かり易い名前だ)

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ビジンダー (たぶん美人でしょう)

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ダークの首領、プロフェッサー・ ギル

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キカイダー01

 

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不完全な良心回路を持ったジローは、不完全さゆえに悩み苦しむ。石ノ森章太郎さんらしい深みのあるキャラクターだ。

 

キカイダー REBOOT    2014年

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2014年にREBOOT作品が製作された。

評判が悪い。

予告編しか見ていないけど、子供向けのテレビドラマを大人映画に仕立て直ししても面白くならないかな。昔を懐かしむオジさんをターゲットにしたのかな?今の子供向けにリブートしないと意味がないし。

月光仮面とレインボーマン

月光仮面レインボーマン

日本の元祖ヒーローもの、月光仮面

1958年にテレビドラマとして登場すると国民的な人気となり映画も製作された。

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ターバンとサングラス、二丁拳銃が武器。バイクに乗って、疾風のように現れて悪党と戦う正義の味方は、後の特撮ヒーローに大きな影響を与えた。

原作は川内康範さん

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経歴を調べると、日蓮宗の寺で育ち「借無上道」〜無償の愛こそがこの世で最も尊いという思想をお持ちになられており、月光仮面月光菩薩をイメージして作られたヒーローだそうです。

 

愛の戦士  レインボーマン

 物語

レインボーマンに変身するヤマトタケシと、死ね死ね団の戦いが描かれたテレビドラマ。

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 妹の足を治すため、そして有名になるための資金稼ぎとしてプロレスラーになるべくインドへ修業へ渡った私利私欲の塊だった日本人青年・ヤマトタケシは、ダイバダッタの力を見て人類愛に目覚め、人々のために役立てようと考え方を改める。

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敵対する勢力は、日本人を憎悪し日本という国家の滅亡と日本人撲滅を企む、死ね死ね団。宇宙人や怪物などでない秘密結社です。

死ね死ね団というネーミングが酷いですが、川内康範さんがアジア各地で石を投げられながらも戦没者の遺骨を収集した際の体験から生まれたようです。

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レインボーマンの師匠はダイバダッタ。インドの高僧、超能力者だ。

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レインボーマンは必要とする能力に合わせて、七曜にちなむ7種類の姿に変化し、それぞれの姿にちなんだ超能力を発揮します。

能力ごとにキャラデザインがあるのが、今見るとジョジョ的で面白いですね。

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太陽の化身

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土の化身

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黄金の化身

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 草木の化身

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水の化身

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炎の化身

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 月の化身

 

月光仮面レインボーマン、子供の頃は意識しませんでしたが仏教的な思想から生まれたヒーローだったのですね。

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