金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

君よ憤怒の河を渉れ

君よ憤怒の河を渉れ      1976年

佐藤 純彌 監督

物語

突如無実の罪を着せられた検事が汚名を晴らすため日本中を逃走。その後、謀略の全貌を明かし、悪の首謀者を追いつめる。

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高倉健さん主演。中国で公開され大反響を呼んだ伝説の映画。「君よ憤怒の河を渉れ」なんて立派なタイトルなので「怒りの葡萄」とか「戦争と平和」のような文学的な作品を妄想していたけど…

実際は、さいとうたかを原作?と思わせるような劇画的な内容でした。序盤はまだまともだけど、話が進むにつれ荒唐無稽になっていきます。新宿包囲網を突破するシーンは失笑しました。かなりヤバいです。

映画はB級でしたが、高倉健はいいですね。たった数分の説明でセスナを操縦してしまうのも高倉健ならアリと思わせます。役者が違う。

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※今年182本目の映画観賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アニー・ホール

アニー・ホール            1977年

ウッディ・アレン監督

物語

 NYを舞台に、都会に生きる男女の恋と別れをペーソスと笑いで綴ったラブ・ストーリー。うだつの上がらないスタンダップ・コメディアン、アルビーは、知り合った美女アニーと意気投合して同棲生活を始めるが、うまくいくのは最初だけ。次第に相手のイヤなところが気になり出した二人の間には見えない溝ができ上がっていた。そしてアニーの前に現れた人気歌手のカリフォルニアへの誘いが二人の仲にピリオドを打つ決定的なものとなった……

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1977年のアカデミー賞作品。有名な作品ですが、僕はウッディ・アレンの映画を観るのは初めてです。

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 シニカルなコメディで好き嫌いが分かれそうだが面白かった。物語世界と現実世界を飛び越えるような斬新な演出など、ウッディ・アレンの鬼才ぶりを堪能

ダイアン・キートンがチャーミング。(彼女はこの作品でアカデミー女優賞を獲得)これは観ておくべき作品ですね。

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※今年181本目の映画観賞

 

 

 

ボビー・フィッシャーを探して

ボビー・フィッシャーを探して   1993年

物語

 ジョシュはまだ7歳という年齢ながら、チェスに関して天才的才能を持っていた。父フレッドは息子の秀でた才能を、かつてチェスで世界に名を馳せたアメリカ人天才プレーヤー、ボビー・フィッシャーに重ね合わせ、本格的な英才教育を試みる。そして、彼は往年の名プレーヤー、ブルースに会い息子のコーチに雇う。ジョシュは特訓によって更に潜在していた能力を発揮、次々とタイトルを獲得した。だがある日、ジョシュの前に思わぬ強敵ジョナサンが現われる。

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実在のチェスプレイヤーのジョシュの少年時代を描いた映画。アメリカのチェスへの熱狂ぶりを知ることができる。

ドラマの見せ場は、息子の才能を伸ばそうと白熱する父親と、チェスとは関係なく愛されることを望み反発するジョシュ。父子の葛藤と愛情が感動させる。ハリウッドらしい分かりやすい映画。

※今年180本目の映画観賞

 

フランシス・ハ

フランシス・ハ              2012年

ノア・バームバック監督

バレエカンパニーの研究生で27歳のフランシスは、大学在籍時の親友ソフィーとニューヨークのブルックリンで共同生活をしていた。ある日、彼女は恋人に一緒に暮らそうと誘われるが断り、その後別れることに。ところがソフィーがアパートの契約更新を行わず、引っ越しすると言ったことで……

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ニューヨークでダンサーになる夢を追いかける女性の物語。30歳を前に人生の岐路や挫折に直面する。

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フランシス(グレタ・ガーウィグ)の生き生きとしたキャラクターが楽しい。あとモノクロでドキュメンタリーみたいな撮り方が、自己客観視しているようなユーモアのセンスを作り出しているように思う。なんか面白い。不思議な魅力のある作品。

※今年179本目の映画観賞

 

 

 

 

 

静かな生活

静かな生活                1995年

伊丹十三監督

物語

絵本作家を目指すマーちゃんには、大学入試を控えた弟オーちゃん、障害者ながらも音楽に非凡な才能を発揮する兄のイーヨーがいる。作家のパパと優しいママもいたのだが、パパがふとしたことから家長のプレッシャーに耐えられず、招かれていた海外の大学講師を引き受けてママと共に渡航してしまった。両親の留守を引き受けたマーちゃんがイーヨーたちの面倒を見ることになるのだが、てんやわんやな毎日を送る。そんなとき、パパの知り合いという新井君がイーヨーの水泳コーチを引き受けてくれることになり…

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 義弟 大江健三郎の小説を伊丹十三監督が映画化した。伊丹作品では唯一原作のある作品

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伊丹十三監督の映画は、デビュー作の「お葬式」からリアルタイムで観ていたが何作か観ていないものがあり「静かな生活」もその一つ。タイトルやポスターから穏やかなヒューマンドラマを想像していたが、犯罪事件を含む内容で意外だった。

渡部篤郎やこの役で日本アカデミー賞新人賞を受賞、佐伯日名子はヘタウマだが爽やかだ。ラストで兄妹がリビングで寝そべるシーンは温かくて良かった。

※今年179本目の映画観賞

 

 

 

土俵祭

土俵祭       1944年

丸根賛太郎 監督

物語

明治初年。旧時代の遺物として相撲が排斥される風潮の中、竜吉は横綱を夢見て黒雲部屋に入門する。兄弟子の大綱は、相撲は勝ちさえすればいいという考えの持ち主で竜吉につらく当たるが、親方の娘きよは稽古熱心な竜吉に好意を寄せていく。

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黒澤明が脚本の戦時中の映画。姿三四郎と同様に明るい娯楽作品。戦前の相撲界の様子が興味深かった。スポ根としてオーソドックスな筋書きで、黒澤明「らしさ」を見出すのは難しい。

※今年178本目の映画観賞

女の中にいる他人

女の中にいる他人           1966年

成瀬巳喜男監督

物語

杉本は赤坂で親友の田代が一人で酒を飲んでいるのを偶然見かけ合流する。その近くで杉本の妻さゆりが何者かに絞殺されていたことをその後知る。犯人がわからないまま時が経つにつれ、田代は気分が落ち込んでいき、ついに彼を悩ませていたある秘密を妻の雅子に打ち明ける。田代は杉本にも打ち明けるが、雅子からも杉本からも忘れるように諭される。秘密に耐えきれなくなった田代に意外な結末が訪れる。

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エドワード・アタイヤのミステリ小説「細い線」を原作とした心理サスペンス。成瀬巳喜男監督の中では異色作。

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大作ではないが優れたサスペンス。自らが犯した罪に追いつめられていく登場人物の心理描写がドラマの主題。良心の呵責に苦しむ小林桂樹さんや、夫の告白を聞き悩む新珠三千代さんらの演技が素晴らしい。

作品はモノクロだが、陰影を効果的に使い人物の心理描写を演出している。1966年公開ならカラー映画もあったはずだが敢えてモノクロを選んだのかもしれない。

本作は、1981年と2017年にテレビドラマでリメイクされている。脚本のしっかりとした作品だからだろう。地味だが面白い。

※今年178本目の映画観賞