金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

レッドタートル ある島の物語

レッドタートル ある島の物語          2016年

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督

物語

吹き荒れる嵐の中、海に投げ出された男が、かろうじて生き残ったものの波に乗って見知らぬ無人島に流れ着く。彼は何度も力を振り絞って島から出ようとするが、その度にまるで見えない何かに操られるように島へと連れ戻される。万策尽きてしまった男の前に、ある日、一人の女性が姿を現した…

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とにかく絵や動きが美しい。ファンタジーなストーリーと相まって詩的な世界を創り出している。

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無人島に漂流した男と、男に恋をしたレッドタートルの話。純粋で美しいお伽話です。

映画のキャッチコピーは、"どこから来たのか どこへ行くのか いのちは? "  と哲学的ですが、考え過ぎる大人より、子どもの方がこの作品の良さを理解できるかもしれません。

※今年214本目の映画鑑賞。

 

 

 

キッド

キッド                              1921年

チャールズ・チャップリン監督

物語

ある日、いつもの様に街を散歩していたチャーリーの耳に赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。辺りを見回すとまだ生まれたばかりの赤ん坊が街頭に捨てられている。どうしたものかと抱き上げた彼の目の前に、パトロール中の警官が通りかかった。警官は彼が赤ん坊を捨てにきたと勘違いし、目を光らせている。仕方なく彼は、その赤ん坊を自分のボロ・アパートに連れて帰った。それから5年後--その子はチャーリーの仕事を手伝う程成長していた。

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チャップリンの初の長編映画(1時間程ですが)。喜劇ですがヒューマンドラマで泣かせるところもあり、チャップリンの作家性が良く出ています。

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ジャッキー・クーガンは天才的な演技力で、映画史上初の子役スターになりました。稼いだお金を母親と養父が浪費してしまったことから、子役の資産保護を目的とするクーガン法という法律が作られるきっかけになったそうです。

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チャップリンらしい愛情あふれる作品。50分程度の映画にドラマがぎゅっと詰まっています。喜劇役者としてのチャップリンはもとより、監督としてのチャップリンもすごいなぁ。

※今年213本目の映画鑑賞。

三つ数えろ

三つ数えろ                    1946年

ハワード・ホークス監督

物語

私立探偵フィリップ・マーロウは、富豪の退役将軍スターンウッドに呼ばれ、次女が書店主ガイガーから多額の請求を受けている件について調査の依頼を受ける。しかし、調査を始めると間もなくガイガーが何者かによって殺されてしまい事態は思わぬ方向へ向かうことになる。

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ハードボイルドの巨匠、レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」の映画化。探偵フィリップ・マーロウが初めて登場する作品だ。

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有名な「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」はフィリップ・マーロウのシリーズで生まれた台詞だったんですね。

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主演のハンフリー・ボガードローレン・バコールは1945年に結婚しています。当時のバコールは20歳だが、ノワールな感じで大人っぼい。

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キャラが立っているので十分楽しめますが、プロットや登場人物の関係がイマイチ分かりにくい

正直見終わった後にすっきりしない感じが残りました。原作を先に読んでから観た方がいい映画なのかもしれません。

※今年212本目の映画鑑賞。

 

 

 

 

 

 

勝利の朝

 

勝利の朝                        1933年

ローウェル・シャーマン監督

物語

地方から出てきた女優志願の夢見がちな若い女エバ・ラブレスは、高名な舞台プロデューサーの事務所に乗り込んでねばるが相手にしてもらえない。そこへ現われた劇作家が彼女をプロデューサー邸の華やかなパーティーへ誘う。ほろ酔いかげんの彼女は「ロミオとジュリエット」のバルコニーの場を大熱演した。プロデューサーも劇作家も彼女の素晴らしい才能の虜になってしまう。

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原題の「Morning Glory」は「朝顔」のことですが、邦題は「勝利の朝」(いい加減で笑える)

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田舎から出てきた女優志望の女の子がチャンスを掴みブロードウェイにデビューするだけの話です。

エバは、演劇関係者のパーティで酔っ払い、私は才能があると言い出しロミオとジュリエットを披露し始めます。(翌日、自己嫌悪になりそうですが…)映画では演劇関係者に名前を覚えてもらいチャンスを掴むことになります。

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映画の見どころは キャサリン・ヘプバーンの演技。エバ・ラブレスの夢見がちで少し痛いキャラを見事に演じています。生涯で4回もアカデミー賞主演女優賞を取っただけのことはありますね。他の出演作品も観たくなりました。

※今年211本目の映画鑑賞。

 

 

 

フレンチ・コネクション

 

フレンチ・コネクション          1971年

W・フリードキン監督

物語

 ニューヨーク、麻薬密売ルートを探るポパイことドイルと相棒のラソー両刑事は、マルセイユからやってきたシャルニエの尾行を開始。強引な捜査を行なうドイルは逆に命を狙われることになり…

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二人の刑事が麻薬密売ルートを追う話です。オールロケ・ドキュメンタリーみたいなカメラワーク。ドラマ的には刑事がひたすら犯人を追うだけだが、ぐだぐたした話がないことでリアリティとか緊迫感が出ています。

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見どころは電車に乗って逃げる殺し屋を、高架下から追いかけるカーチェイス。映画史の中では1968年「ブリット」に続くものだが、「フレンチ・コネクション」の成功により、後のアクション映画にカーチェイスが頻繁に取り入れられるようになったそうです。

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久しぶりのアクション映画ですが、俳優さんも渋くてなかなか良かったです。現在では見慣れたカーチェイスなんかも、公開当時、生まれて初めて観たら度肝を抜かれただろう。 

↓当時の興奮が感じられる愛川欽也さんの解説

水曜ロードショー

※今年210本目の映画鑑賞。

 

イエスマン

イエスマン                            2008年

ペイトン・リード監督

物語

 仕事でもプライベートでも「ノー」の後ろ向きなカールは、友人に連れていかれたセミナーで、人生を前向きに生きる為にどんな事でもイエスと答えるよう教えられる。誓いを破ると悪いことが起きると脅されたカールは、無条件にイエスを連発するのだが、偶然知り合ったアリソンから好意を持たれたり、会社で上司に好かれ昇進したり、彼の人生は良い方向に変わり始める。

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ジム・キャリーの顔芸、久々に見ました。自分の中では、ローワン・アトキンソンマイク・マイヤーズジム・キャリーが御三家みたいな感じで気に入っています。

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コメディですが、イギリス人のダニー・ウォレスが自身の経験を元に執筆した話です。

ダニー・ウォレスはパーティで「車、買わない?」と聞かれて買うハメになったとか。

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ジム・キャリーが足らない。嘘八百のやり手弁護士が嘘をつけなくなる「ライアー・ライアー」の方が笑えた。

でも映画としては、イエスマンの方が普通に楽しめると思う。(ジム・キャリーでなくても良いと言ったら、言い過ぎだろうか。)

特筆は、アリソン役のズーイー・デシャネルかな。ナチュラルな感じで可愛い。

※今年209本目の映画鑑賞。

 

 

 

 

 

湯を沸かすほどの熱い愛

湯を沸かすほどの熱い愛         2016年

中野 量太監督

物語

1年前、あるじの一浩が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだったが、双葉と安澄母娘は二人で頑張ってきた。だがある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れ、精密検査の結果末期ガンを告知される。気丈な彼女は残された時間を使い、生きているうちにやるべきことを着実にやり遂げようとする。

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コメディかと思ったら、家族愛を描いたヒューマン・ドラマでした。中野良太監督は自主制作の映画で知られていた人だそうですが、商業作品としとのデビュー作品で日本アカデミー賞を受賞しました。

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主演の宮沢りえさん、娘役の杉咲花さんの演技が素晴らしい。カメラワークや映像センスも良い。

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末期ガンを告知された女性が残僅かな人生を、家族の再生のために生きる。あまりベタな映画にしたくなかったのか、ラストは奇な終わり方になっています。

監督はインタビューで、「映画は、現実と虚構のギリギリの線が成立した時に大きな感動が生まれる。ラストシーンは一線を飛び越えちゃってもいいと思って作りました。」と言っていました。なるほどね。

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終盤で映画タイトルを出す「悪い奴ほどよく眠る」や、煙突から赤い煙が出る「天国と地獄」など黒澤明のオマージュがある。作品そのものも「生きる」からインスパイアされたような感じなので、オマージュは黒澤監督への謝辞なんでしょうね。

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※今年208本目の映画鑑賞。