金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

ナポレオン

ナポレオン      2023年

リドリースコット監督

物語

18世紀末、革命の混乱に揺れるフランス。若き軍人ナポレオンは目覚ましい活躍を見せ、軍の総司令官に任命される。ナポレオンは夫を亡くした女性ジョゼフィーヌと恋に落ち結婚するが、ナポレオンの溺愛ぶりとは裏腹に奔放なジョゼフィーヌは他の男とも関係を持ち、いつしか夫婦関係は奇妙にねじ曲がっていく。その一方で英雄としてのナポレオンは快進撃を続け、クーデターを成功させて第一統領に就任、そしてついにフランス帝国の皇帝にまで上り詰める。

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リドリー・スコットホアキン・フェニックスアカデミー賞作品賞受賞の「グラディエーター」以来 23年ぶりのダッグ作品。

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ナポレオン、フランスの英雄として有名な人物を描いた伝記映画。スペクタクル超大作。エキストラや馬をたくさん使った合戦シーンは圧巻。

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ナポレオンと妻ジョゼフィーヌヴァネッサ・カービー)の夫婦関係を深く描いている。監督は劇場版は158分だが、ナポレオンに会う前のジョゼフィーヌに焦点を当てた270分バージョンも存在するそうだ。DVDで完全版が発売されたら観てみたい。

余談だが映画はPG12に指定だが、露骨なセックスシーンもあって子どもと観るのは気まずい。

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監督、俳優、製作陣、一流どころを揃えただけの大作。ナポレオンを偉人や英雄としてではなく、妻ジョゼフィーヌの愛にすがる人間としての弱さを描いている。複雑なナポレオンの人物像は解釈が定まらず、鑑賞後にすっきりしない印象が残った。

※今年33本目の映画鑑賞。

雑記:ミワさんになりすます

ミワさんになりすます

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NHKの夜ドラです。先週、最終回でビデオで見終わりました。

映画が大好きな久保田ミワがは、スーパー家政婦の美羽さくらと間違えられて、推しの俳優・八海崇の家政婦になるラブ・コメディ。

原作は青木U平のコミック(ビッグコミックオリジナル)です。

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コミックはまだ連載中ですが、テレビドラマは後半からオリジナルストーリーになって完結しました。コミックの今後の展開が気になります。

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久保田ミワ役の松本穂香さん。

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美羽さくら役の恒松祐里さん。

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世界的な俳優と映画オタクの女性、スクリューボール・コメディの王道のような設定で面白かったです。テレビドラマのオリジナルは恋愛ドラマとしては不完全燃焼な感じもありましたが、上手くまとまっていました。

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モデル不明ですが原作の八海崇だと役所広司みたいな雰囲気です、堤真一さんは温かい感じですね。

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毎週、楽しみにしていたドラマが終わってしまいました。ミワロスです。

おしまい

 

 

首       2023年

北野武 監督

物語

天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。

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北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀西島秀俊織田信長加瀬亮黒田官兵衛浅野忠信羽柴秀長大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。

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今年、一番観たかった作品。故、黒澤明監督に認めれた北野武が製作した本格時代劇「首」。早速、劇場へ観に行きました。🎬

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凄惨なシーンが連続しますが、ピートたけしとして演じるコントも多くコメディの要素が強く出ています。たけし軍団の"殿"のノリです。

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製作費15億円。見応ありました。

この映画には、黒澤明大島渚深作欣二など北野武に影響を与えた監督のエッセンスが散りばめられていて、ピートたけしの笑いもある、どこか集大成的な趣きでした。

※今年32本目の映画鑑賞。

土を喰らう十二ヵ月

土を喰らう十二ヵ月   2022年

中江裕司監督

物語

長野の人里離れた山荘で1人で暮らす作家のツトム。山で採れた実やキノコ、畑で育てた野菜などを料理して、四季の移り変わりを実感しながら執筆する日々を過ごしている。そんな彼のもとには時折、担当編集者である歳の離れた恋人・真知子が東京から訪ねてくる。2人にとって、旬の食材を料理して一緒に食べるのは格別な時間だ。悠々自適な暮らしを送るツトムだったが、13年前に他界した妻の遺骨を墓に納めることができずにいた。

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水上勉のエッセイを原案。主演は沢田研二、ツトムの恋人・真知子役に松たか子料理研究家土井善晴が、劇中に登場する料理の数々を手がけた。

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作家、水上勉のエッセイが原作と知らないで鑑賞しました。どこまでが事実か分かりませんが、子供の頃に禅寺へ小僧として出された話や、晩年は軽井沢のアトリエで暮らしたことは本当のようです。

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本物の水上勉。素敵な方だったのですね。原作も読んでみたくなりました。

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生命を頂き、身体を養う。

食べること、生きることをテーマにした映画ですが、土井善晴さんの料理も素晴らしくて、なかなか良い映画と思いました。

※今年31本目の映画鑑賞。

 

雑記: ビートルズ 最後の新曲

雑記

11月2日、ザ・ビートルズ最後の新曲「ナウ・アンド・ゼン(Now And Then)」がリリースされた。

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デモテープからAIを使ってクリアに抽出したジョン・レノンの声に、ボールやリンゴが新しく演奏パートを重ねたもので、テクノロジーの進歩にも驚かされるが、ボールやリンゴの努力でこな音源が蘇ったことに感動した。

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風化の激しいポップミュージックの世界で、歴史に名を残すだろう数少ないバンド。ザ・ピートルズ。彼らの新曲を2023年に聴くことができるとは思わなかった。

感動と感傷‥‥

おしまい

 

ゴジラ -1.0

ゴジラ -1.0      2023年

山崎貴監督

物語

終戦間際の1945年。特攻隊のパイロットだった敷島は、着陸した大戸島でゴジラに遭遇する。零戦の機銃でゴジラを攻撃する機会があったが、恐ろしさで機銃のを撃てず、島を防衛していた多くの兵士を死なせてしまう。戦争が終わり東京へ戻る敷島。バラック街で知り合った典子との生活が始まる。廃墟と化した街も少しずつ復興し生活も落ち着いてくるのだが、敷島は死なせてしまった兵士とゴジラが、脳裏から離れなかった‥

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ゴジラ国産映画30作目。監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴、主演は神木隆之介浜辺美波

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本日公開のゴジラ新作。庵野秀明の「シン・ゴジラ」から7年ぶりの新作。山崎貴監督も前作をかなり意識したらしく、庵野秀明とのトークイベントで製作のオファーを受けた際に「正直『シン・ゴジラ』の後かよって(笑)。ぺんぺん草も生えていないのに、普通は誰もやらないですよ」と率直に語っている。

巨神兵のようなゴジラ、シンジを思わせるような敷島、ワダツミ作戦、綾波のような典子の包帯姿‥映画の至るところに庵野秀明をオマージュしたようなシーンがあるが、このオマージュには庵野秀明へのリスペクトと、庵野秀明から逃げないで「シン・ゴジラ」を超える作品を作ろうとした山崎監督の意気込み感じます。👏

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ゴジラ映画って、ゴジラが登場する特撮シーンがメイン、ドラマはおまけ、みたいな感じですが、本作はドラマがしっかりして面白いです。作品的には大人が楽しめるレベルですが、反面、怪獣映画を楽しみに劇場に来た子供は取り残されてしまうかもしれないなと思いました。

※今年30本目の映画鑑賞。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 2023年

マーティン・スコセッシ監督

物語

1920年代、オクラホマ州オーセージ郡。先住民であるオーセージ族は、石油の発掘によって一夜にして莫大な富を得た。その財産に目をつけた白人たちは彼らを巧みに操り、脅し、ついには殺人にまで手を染める。

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ジャーナリストのデビッド・グランがアメリカ先住民連続殺人事件について描いたベストセラーノンフィクション「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を原作に、「フォレスト・ガンプ 一期一会」などの脚本家エリック・ロスとスコセッシ監督が共同脚本を手がけた。劇場公開中。

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記事の引用だが、初めの脚本はたFBIエージェントの視点で物語を語られていたが、レオナルド・ディカプリオのダメ出しで、オセージ族のコミュニティ内から事件を描かれることになり、主人公も第一次世界大戦から戻った退役軍人のバークハートに変更された。

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脚本の転換は当たりで、アメリカの黒歴史とも言える重たいテーマを扱いながら、サスペンスやロマンスなどを織り込んだ巧みな作品で、3時間以上の長さだが弛みなく鑑賞できます。

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スコセッシ監督はレオナルド・ディカプリオを主演にした次回作の製作を語っている。80才を超えて衰えない意欲と才能、凄いです。

※今年29本目の映画鑑賞。