失われた週末 1945年
物語
売れない小説家のドンは、重度のアルコール依存症。週末にドンは、兄ウィックと療養旅行に行く予定だったが、ウィックとドンの恋人ヘレンをだまし、裏切り、飲んだくれた揚げ句、旅行にも行くことはなかった。翌日、いつものようにナットのバーで飲んでいると、ドンはナットにヘレンとの出会い、彼女の献身的な支えや自分の過去を語り始める。そして、もう一度小説を書く決心をするが、やはり酒を求めるのであった…
第18回(1945年)のアカデミー作品賞、監督賞主演男優賞、脚本賞を獲得した作品である。
アル中の小説家が酒への渇望に苦悩する週末。
それだけの話をスリリングなサスペンス映画にしてしまうのがビリー・ワイルダーの凄さ。
理性ある紳士が、アルコールの為なら盗みでも何でもしてしまうようになり、やがて幻覚まで見えるようになる。本当に怖い話でした。
酒を買う金が無くなり小説家の命であるタイプライターまで質草にしようとするシーンは、悪魔に憑かれたようです。
こんな飲んだくれに、3年間も付き合っている恋人ヘレン。「そんな奴、おらへんやろ〜」とか言いたくなる。
さて、物語では男は酒を断つ決意をしてハッピーエンドですが、実際には、それで止められないのが依存症ですよね。まだアルコール依存性への理解は浅い気がしました。
※今年94本目の映画鑑賞