にんじん 1932年
物語
フランソワ・ルピックは赤毛とそばかすのため、「にんじん」と呼ばれていた。そのため両親や兄弟からもばかにされ、さげすまれていた。小間使いのアネットだけが彼のことを理解してくれた...
1894年に出版されたジュール・ルナールの中編小説を映画化したもの。
母親が意地悪で、赤毛でそばかすのある末っ子”にんじん”を不公平に扱って虐めます。父親は家族に無関心で、誰にも愛されていないと考えた”にんじん”は自殺を企てます。
ロープを首にかけ、積み上げた箱から飛び降りてる寸前のところを父親が助けます。にんじんは父親に今まで母親に虐められていたことを打ち明けます。
まだ児童虐待という言葉がない時代の話ですが、夫婦の不和から子供に辛く当たる母親や、家庭に関心の薄い父親など、ネグレクトの構図は現代にも通じる話と思いました。悲惨な内容だけど、少年の切なく瑞々しい気持ちに泣けます。いい映画です。
※今年153本目の映画鑑賞。