金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

少年

少年                           1966年

大島渚 監督

物語

戦争で傷を負ったことで定職につかない男とその先妻の息子(少年)。男の同棲相手と彼女との間に生まれた子(チビ)。一家は当たり屋で生計を立てている。一箇所で仕事を続けると足がつくという理由で、次々と場所を変えて旅をする。少年は車の前に飛び出す恐怖と両親への抵抗から何度も逃げ出そうと試みるが、結局は逃げた後に味わう孤独に打ちのめされて家族の元に帰るしかなかった。そして、一家は反目しあいながら、とうとうその先には海しかない北海道の最北端まで辿り着くのだが…

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1966年に大阪西成警察署に逮捕された高知県出身の当たり屋夫婦の事件がモデル。

高度成長で社会が豊かになる一方で、戦後の傷を引きずり貧困層として取り残される家族。巨人軍の防止や日付表示付きの腕時計など出てくる小物にも当時の社会の雰囲気がよく伝わります。

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大島渚監督の作品は戦メリと青春残酷物語か見ておらず、これで3作目です。本作は大島渚ファンの方の評価も高くCiatr の「大島渚監督のおすすめ映画6選!」という記事にもランクインされています。

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少年役の阿部哲夫は、養護施設に収容されていた本当の孤児で、監督が孤児院で彼の目つきを見て採用したそうです。少年の孤独感は演技以上のリアリティがありました。

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少年の心情がしみじみと伝わる映画でした。ラストの雪のシーン、チビちゃんにも泣けるな。久々に、ぐっと来る映画でした。

※今年30本目の映画鑑賞。