ワダチ / 松本零士
物語
物語貧乏で冴えない浪人生・ワダチこと山本轍が、むりやり移住させられた新惑星“大地球”でたくましく生きていく姿を描いたSFファンタジー。屋台を引いてアルバイトしていたワダチは、車に轢かれて負傷し、そのうえ部屋に隠していた全財産も盗まれてしまう。そして一文無しになったワダチが、再び金を稼ごうと働いていたおでん屋台に、美術大学研究所の教授・佐渡酒造がやってきて……
1973年から1974年に少年マガジンで「スペース開拓者ワダチ」として連載された作品。松本零士死去を受けて漫画家の浦沢直樹が「僕がどれほど『ワダチ』に衝撃を受けたか…」とコメントしていた。
主人公は「男おいどん」ですが、佐渡酒造と知り合ったことから、ワダチの人生は大きく変わり始めます。
佐渡酒造が発案したカミヨ計画により、ワダチは遥か宇宙の彼方の星へ移住することになるが‥・
僕がこの漫画を初めて読んだのは小学生の頃だと思うのですが、当時はよくストーリーが分かっていなかったですね。今、読み直すと、前半のミステリアスな展開が面白いです。後半の異世界ファンタジーは最近の転生モノに近いかもしれません。
全2巻で完結。ラストのたたみ方が急(タイムマシンが登場する)で、ワダチの未来を読者の想像に託して完結する。連載が終了した74年にはテレビで「宇宙戦艦ヤマト」の放映が開始される。ワダチの軌跡と同じく松本零士の作品が四畳半から宇宙へ飛び立ったように感じます。
※今年読んだ漫画2作目