荒野の決闘 1946年
ジョン・フォード監督
物語
メキシコからカリフォルニアへ牛を運んでいた途中、アリゾナのトゥームストンへ立ち寄るワイアット・アープとその兄弟。だが、留守をまかせていた末弟は何者かに殺され、牛も盗まれてしまった。クラントン一家がその犯人であると踏んだワイアットは、保安官となってトゥームストンに留まる事を決意する。町では賭博師ドク・ホリデイと知り合い、次第に友情を深めていく一方、ドクを追ってやって来たクレメンタインという名の美しい婦人に一目惚れするワイアット。やがて、ドクの愛人チワワが、殺された末弟のペンダントを持っていた事が発覚。それは、クラントンの息子に貰った事が判明する……
「駅馬車」と並び、ジョンフォード監督の傑作と言われる西部劇です。保安官ワイアット・アープと賭博師ドク・ホリデイが無頼漢クラントン一家と戦った「OK牧場の決闘」を材に取っていますが、ガンファイトよりヒューマンドラマに重きを置いた作品で、ワイアット・アープとクレメンタインとのロマンスが見どころです。
ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)は西部で名を馳せた保安官。地味だが素晴らしい演技。フォード監督は晩年のアープ本人と会っている。座り方なんか、本人の雰囲気を出しているのかな?
ドク・ホリデイ(ヴィクター・マチュア)と情婦チワワ。ドクは元医師だったが、結核を患い婚約者を捨てて西部へ移り、放浪の賭博師となる。当時は結核の治療法がなく、常に死の影につきまとわれている。
ドクを追ってきたクレメンタインにアープは一目惚れしてしまい、アープ、ドク、クレメンタイン、そしてチワワ、4人の男女関係が絡みます。西部の地にたどり着く、理由ありの男や女のドラマ。面白いな。
「詩情溢れる」西部劇の傑作なんて言われますが、言葉では上手く語れない魅力があります。黒澤明監督が尊敬していたフォード監督。映像が美しく力がありますね。
※今年32本目の映画鑑賞