運が良けりゃ 1966年
山田洋次監督
物語
左官の熊五郎は、近江屋の若旦邦七三郎を誘い、相棒の八、クズ屋の久六たちと共に芸者遊びをする。金のない一行は、番頭を騙して遁走する。長屋では熊五郎の妹せいが、五万石のお大名赤井御門守に見染められたが、熊五郎が酔払って話をぶちこわしてしまった。
秋も近くなった頃、近江屋の主人守兵衛は、源兵衛に長屋の店賃値上げを厳命する。だが、住人の窮状を知る源兵衛は強硬な取立てができず、責任を追及されてお払箱になる。それに憤った熊五郎は大騒動を起こし入牢する羽目となる…
落語の熊さん・八っつぁんを材にした山田洋次洋次監督の人情喜劇。ハナ肇が熊五郎、犬塚弘が八五郎と初期のクレイジーキャッツに藤田誠や渥美清らも出演。豪華な顔触れだ。
印象に残るのは熊五郎の妹、おせいを演じた倍賞千恵子さん。瑞々しい演技で可愛らしい。
破天荒な兄を持つおせいは、寅さんのさくらとイメージが重なります。「馬鹿まるだし」シリーズから「男はつらいよ」シリーズへのつながりを感じました。
テンポの良いスラップスティックに、山田洋次監督らしい人情喜劇が織り込まれた見事な作品です。
ちょっと残念なのは笑いの質。当時はウケたのだろうけど、ドタバタが強くて大味な感じがする。
※今年33本目の映画鑑賞