金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

トップガン/トップガン マーヴェリック

トップガン マーヴェリック   2022年

ジョセフ・コシンスキー監督

物語

アメリカ海軍のエリート飛行士訓練校に、かつて天才パイロットと呼ばれたマーヴェリックが教官として帰ってくる。生徒の中には、彼がかつてタッグを組み、訓練中に命を落としたパイロットの息子もいた。父の背中を追いかけてきた彼は、マーヴェリックに対し恨みを抱いていた。

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トムクルーズ主演の大ヒット作、「トップガン」と「トップガン マーヴェリック」の 連続上映を劇場で鑑賞してきました。

トップガン(1986年)

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ケニー•ロギンスの「デンジャー•ゾーン」、ベルリンの「愛は吐息のように」など当時のヒット曲が最高ですね。トム•クルーズはこの映画でトップスターの仲間入りします。ヒロイン役のケリー・マクギリスは29才に対して、まだ24才のトム•クルーズは可愛い感じがします。

パートナーのグース、ライバルのアイスマンら同僚パイロットの友情や成長が描かれた爽やかな青春映画でした。

トップガン マーヴェリック(2022年)

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前作から36年ぶりの続編。

作品イメージを壊さないように演出や基本的なプロットは前作を踏襲しながら、訓練中の事故で父を失ったルースターとの和解やライバルだったアイスマンとの友情など、新たなドラマが語られます。

36年の経過がありますが、前作とのつながりに無理がなく良かったです。(チャーリーがどうしたか気になりましたが、聞くのは野暮でしょう。)

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続編は駄作が多いですが、マーヴェリックは面白かったです。評判通り、今年度、最高のエンターテイメント作品でした。

※今年52本目、53本目の映画鑑賞。

 

ヒトラー 〜最期の12日間〜

ヒトラー 〜最期の12日間〜  2004年

オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督

物語

1942年11月、アドルフ・ヒトラーのいる東プロイセンの司令本部に若い女性たちが連れてこられた。彼女たちの中から、トラウドゥル・ユンゲがヒトラーの個人秘書に選ばれる。その約2年半後の1945年4月20日、第2次世界大戦下のベルリンはソ連軍に包囲され、ヒトラーたちは首相官邸地下の要塞に立てこもっていた。ヒムラー警察長官もヒトラーにベルリンからの退却を勧めるが、ヒトラーソ連軍打倒の作戦を熱演し続ける。しかし、奇跡は起こらず、遂にヒトラーは敗北を覚悟。愛人のエヴァ・ブラウンと結婚式を挙げ、翌日、2人はピストル自殺する。ユンゲらは地下要塞を後にし……

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秘書の1人であるトラウデル・ユンゲ回顧録が原作。ヒトラーを主人公に、彼の最期の日々を厳粛なタッチで描き世界中で大きな論議を呼んだ。

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ヒトラーの秘書だったトラウデル・ユンゲ回顧録に基づいて制作されており、ドラマの語り手となっている。ラストに本人のインタビュー映像があり、直接的ではないにしろナチスに協力した後悔と時代の流れに注意するようメッセージを伝えている。

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ヒトラーの演技が良かったですね。バレロディ映像が作られたヒトラーのお怒りシーンは名場面です。悪魔的に描かれることが多いヒトラーですが、この映画では彼の弱さや優しさも描き出しています。

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緊張感のある演出で、最初から最後まで息を飲むよう作品でした。歴史映画ですが、観客に時代を追体験させるような名画でした。

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ヒトラーの時代は去ったと思っていましたが、ロシアのウクライナ侵攻を見ると恐ろしいことに私たちの世界は進歩していないようです。歴史から学ぶことが大切ですね。

※今年51本目の映画鑑賞。

切腹

切腹         1963年

小林正樹監督

物語

寛永7年10月、井伊家の江戸屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が現れ、生活苦から切腹したいので庭先を貸して欲しいと申し出る。近頃、江戸では金に困った浪人が他人の屋敷の玄関先で切腹すると申し出て金品を巻き上げる手口が横行していた。井伊家の家老・斎藤勘解由は半四郎に、春先に同じ用件でやって来た千々岩求女という浪人の話をする。浪人たちの強請同然の手口に悩まされていた勘解由は、死ぬつもりなどない求女に庭先を貸し与え、本当に切腹にまで追い込んだのだ。話を聞き終えた半四郎は、勘解由に衝撃的な事実を語りだす。

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滝口康彦の小説「異聞浪人記」を原作に、「七人の侍」などの名脚本家・橋本忍が脚色を手がけた。仲代達矢 岩下志麻 石浜朗 三國連太郎 丹波哲郎主演。1963年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。

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井伊家の江戸屋敷に、千々岩求女(ちぢいわ・もとめ)と名乗る浪人が生活苦から切腹したいので庭先を貸せと申し出るのだが、井伊家家老は、このような手口で金品をたかる浪人を懲らしめ天下への見せしめとしようと、求女を本当に切腹せてしまう。

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「一両日のご猶予を」と懇願する求女に対して、「武士に二言はあるまいな」「さあ、存分に腹を召されよ」と、追い込む方がえぐい。

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津雲半四郎は、実は求女の義父である。井伊家の酷いやり方に物申すために、切腹を申し出て井伊家老と対面する。

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暗い内容ではあるが、ストーリーも面白い。時代劇の傑作である。

仲代達矢の緊張感のある演技、半四郎の一人語りに惹きつけられる。仲代達矢の主演した映画では一番の役者ぶりかと思う。

※今年50本目の映画鑑賞。

血と砂

血と砂         1965年

岡本喜八監督

物語

   昭和20年夏の北支戦線で、歴戦の勇者・小杉曹長三船敏郎)は佐久間大尉(仲代達矢)の命により、八路軍の猛攻によって全滅したヤキバ砦の奪還に向かった。従えるは、何と軍楽隊の少年兵たち。今まで楽器しか持ったことのない彼らを叱咤激励しながら、小杉は砦の奪取に成功するが…

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岡本喜八監督作品。軍楽隊の少年兵が戦う異色戦争アクション。三船敏郎仲代達矢、団令子らが主演。

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戦争をシニカルな笑いで描く岡本喜八監督の作品。三船敏郎仲代達矢、団令子らの出演は、黒澤明監督へのリスペクトなのだろう。作品中にも「葬儀屋」と呼ばれる兵士が出てきてニヤっとさせる。

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岡本喜八監督のオリジナリティを強く感じるのは音楽隊の少年兵たち。戦場でディキシーランド・ジャズというナンセンスさが、戦争自体の愚かさに対する痛烈な皮肉になっている。戦争と音楽は監督が後年に発表した「ジャズ大名」ともつながる。

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映画はフィクションで荒唐無稽だが、戦争末期に学徒動員で集められた若者は、このドラマの若者と大して変わらないだろう。戦地で散った若い兵士を思うと、戦争の惨たらしさを強く感じる。

※今年49本目の映画鑑賞。

ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと虎と魚たち    2003年

犬童一心監督

物語

大学生の恒夫は、ある朝、近所で噂になっている老婆が押す乳母車と遭遇する。そして、彼が乳母車の中を覗くと、そこには包丁を持った少女がいた。脚が不自由でまったく歩けない彼女は、老婆に乳母車を押してもらい好きな散歩をしていたのだ。これがきっかけで彼女と交流を始めた恒夫は、彼女の不思議な魅力に次第に惹かれていくのだが…

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足が悪いためにほとんど外出をしたことがないジョゼと、大学生・恒夫との純愛を描く、田辺聖子の同名小説を犬童一心監督が妻夫木聡池脇千鶴主演で映画化。

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2003年の映画。その後、韓国でリメイクされたりアニメ化もされている。あまり恋愛ものは見ないのですが、タイトルが気になっていました。

「ジョゼ」はサガンの小説の登場人物で、本作のヒロインの山村クミ子が自分のことを「ジョゼ」と自称することから来ていて、あと作品の中で虎や魚たちも出てきました。意味のあるタイトルだったのですね。

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妻夫木聡池脇千鶴が主演。二人とも人気絶頂の20代前半だが、池脇千鶴の個性的な演技やベッドシーンへの挑戦などで、それぞれが俳優として評価された。

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ジョゼのユニークなキャラクターに惹かれました。池脇千鶴さんの演技がいいてす。いわゆるハッピーエンドではないですが希望の持てるラストで良かったと思います。(トカレフが伏線になるのかと思った…)

※今年48本目の映画鑑賞。

ブルース・ブラザース

ブルース・ブラザース.          1980年

ジョン・ランディス監督

物語

刑務所から出所したジェイクは迎えに来た弟分エルウッドとともに、かつて世話になった孤児院を訪れる。母親代わりのシスターから孤児院が経営難に陥っていると聞いた彼らは、金を稼いで孤児院を救うことを決意。かつて仲間たちと組んでいたバンドを再結成してコンサートで一獲千金を目指すが、その途中で警察から追われる身となり、さらに謎の女からも命を狙われてしまう

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米国の人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライヴ』の中で、ジョン・ベルーシダン・エイクロイドが演じたジェイク&エルウッドのブルース・ブラザーズが人気となり映画化された作品。豪華ゲストの出演で伝説的な映画。

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ジェイムズ・ブラウンアレサ・フランクリンレイ・チャールズ。レジェンドが熱唱する。豪華、豪華すぎる。

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ジョン・リー・フッカーキャブ・キャロウェイはミニー・ザ・ムーチャを披露。本物だもんな、そりゃ盛り上がるよ。

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ショッピング・モールでのカーチェイス、ハイウェイでのカーチェイス。カーチェイスを堪能しました。ハチャメチャで面白い。

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R&Bが好きなので興奮しました。ジェイムズ・ブラウンアレサ・フランクリンレイ・チャールズ、みんな亡くなってます。この映画は歴史に残りますね。

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ちなみに収税課職員はスティーヴン・スピルバーグだったのですね。気づきませんでした。

※今年47本目の映画鑑賞。

異動辞令は音楽隊!

異動辞令は音楽隊!    2022年

内田英治監督

物語

部下に厳しく、犯人逮捕のためなら手段を問わない捜査一課のベテラン刑事・成瀬司。高齢者を狙ったアポ電強盗事件を捜査する中で、令状も取らず強引な捜査を繰り返した結果、広報課内の音楽隊への異動を言い渡されてしまう。不本意ながらも音楽隊を訪れる成瀬だったが、そこにいたのは覇気のない隊員ばかりで……

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現在公開中。監督・脚本は「ミッドナイトスワン」の内田英治監督。主演は阿部寛。共演は清野菜名磯村勇斗高杉真宙、板橋駿谷ら。

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久しぶりの劇場鑑賞。タイトルからコメディと思っていたらヒューマンドラマでした。監督は「ミッドナイトスワン」の内田英二。本作では「ミッドナイトスワン」のようはセンセーショナルなシーンはなくて、阿部寛を主演にコマーシャルな作品を狙った感じがします。

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「映画の見どころ」は阿部寛かな。ドラムは初挑戦、撮影のために、3カ月の猛特訓をしたそうですが上手い。カッコいいです。

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あと阿部寛の娘役の見上愛さん。オーディションで選ばれたニューフェイスですが存在感ありました。事件解決より、父と娘の話にフォーカスした方が面白かったのではないかなと思います。

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作品的には良かったと思います。「スウィングガールズ」みたいなコメディを想像していたので期待から外れた。笑いが欲しかったな。

※今年46本目の映画鑑賞。