乱 1985年
黒澤明監督
シェイクスピアの『リア王』を毛利3兄弟の物語に大胆に翻案して描いた戦国絵巻。
過酷な戦国時代を生き抜いてきた猛将、一文字秀虎。70歳を迎え、家督を3人の息子に譲る決心をする。長男太郎は家督と一の城を、次郎は二の城を、三郎は三の城をそれぞれ守り協力し合うように命じ、自分は三つの城の客人となって余生を過ごしたいと告げた。しかし、秀虎を待っていたのは息子たちの反逆と骨肉の争いだった。やがて、秀虎はショックのあまり発狂してしまう。
映画が公開されたときは、シェイクスピアを原作にした映画っていうだけで、退屈なイメージ
だったが、黒澤監督自ら「ライフワーク」と称した作品だけある傑作。
この作品でワダエミはアカデミー賞衣装賞を受賞した。黒澤監督は映画監督になる前は画家を志していいた。色彩の大胆さに驚かされる。
自ら描いたコンテがまた素晴らしい。
仲代達也が素晴らしい演技。
炎上する城から茫然自失で出てくるシーンは足元を見たり、躓いたりしたら撮影失敗になる。4億円のセットを燃やした一回勝負の撮影だと思うと奇跡的なシーン。
ストーリーも映像も、黒澤映画の集大成的な傑作でした。
※今年55本目の映画鑑賞