めぐり逢わせのお弁当 2013年
物語
インド・ムンバイでは、お昼どきともなると、ダッバーワーラー(弁当配達人)がオフィス街で慌ただしくお弁当を配って歩く。その中のひとつ、主婦イラが夫の愛情を取り戻すために腕を振るった4段重ねのお弁当が、なぜか、早期退職を控えた男やもめのサージャンの元に届けられた。神様の悪戯か、天の啓示か。偶然の誤配送がめぐり逢わせた女と男。イラは空っぽのお弁当箱に歓び、サージャンは手料理の味に驚きを覚える。だが夫の反応はいつもと同じ。不審に思ったイラは、翌日のお弁当に手紙を忍ばせる……
インド映画(印仏独の合作)ですが、歌やダンスはありません。普通のスタイルです。
夫婦関係が冷え込んでいる主婦と、妻と死別し独り身となった初老の男性の文通による恋愛を描いた作品です。サージャン役のイルファーン・カーン、イラ役のニムラト・カウルの演技が素晴らしい。
急速に近代化が進むインド社会の孤独や不安も垣間見えます。作中で、GDPを優先するインド社会に対しブータンの国民総幸福量が引き合いに出されますが、幸せとは何か、そんなことを考えさせられる映画でした。
※今年133本目の映画観賞