2022年公開 安彦良和監督
物語
ジャブローでの防衛戦を耐えきった地球連邦軍は勢いのままにジオン地球進攻軍本拠地のオデッサを攻略すべく大反抗作戦に打って出た。アムロ達の乗るホワイトベースは作戦前の最後の補給を受ける為にベルファストへ向け航行。そんな中ホワイトベースにある任務が言い渡される。無人島、通称「帰らずの島」の残敵掃討任務。残置諜者の捜索に乗り出すアムロ達であったが、そこで見たのは、いるはずのない子供たちと一機のザクであった。
1979年に放送されたファーストガンダムのテレビアニメ第15話のエピソードを翻案した作品。
自分にとってガンダムってファーストガンダムですが、令和の時代に劇場でアムロに再開できるとは思いませんでした。
物語はTVシリーズ15話を映画化したものですが、この回は制作業界では「捨て回」いわれた手抜き回で、物語も本編に関係なく、ファンの間では作画崩壊と評判になるほど絵も雑な回でした。
TVシリーズの不足が幸いしたのかと思います。ドアンのキャラクター設定、ドアンと島の子供達の生活、アムロがドアンや島での生活で成長していく様がしっかり描かれて、見事な劇場作品に生まれ変わっています! プロットは同じでも、描き方でこんなに違う作品になるのかと感心してしまいました。
ガンダムにおける富野由悠季と安彦良和の関係って黒澤明と三船敏郎みたいですね。富野由悠季の世界観、安彦良和のキャラと表現力、二人の才能があって生まれた作品です。本作を観てファースト・ガンダムだけにあったキャラの輝きを感じましたが、これは懐古主義ではないと思います。いい映画でした。
※今年18本目の映画鑑賞。