金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

硫黄島からの手紙

硫黄島からの手紙               2006年

クリント・イーストウッド監督

物語

太平洋戦争の末期、戦況が悪化した硫黄島では日米軍の戦闘が開始されようとしていた。その頃、島に新しい指揮官、栗林忠道が降り立った…。

f:id:tomo2200:20191023211518j:image

父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」日米双方の視点から描いた硫黄島2部作の第二弾。日本側の視点から描いた作品。

f:id:tomo2200:20191023231047j:image

f:id:tomo2200:20191023235508j:image

栗林忠道中将を総指揮官とする旧日本軍が激しく抵抗した。米軍は開戦前は5日で島を制圧できると考えていたが、戦闘は一カ月以上に及ぶ。日本側は守備兵力の約2万2000人が戦死、米側も6800人の死者を含む2万6000人が死傷した。

f:id:tomo2200:20191023231107j:image

f:id:tomo2200:20191023231133j:image

米軍との戦力差を知っていた栗林中将は戦いに勝利することではなく、「上陸部隊に可能な限りの損害を与え、日本本土への進行を1日でも遅らせる」ことを目標としていました。総延長十八キロに及ぶ地下坑道を掘り島全体を要塞化してアメリカ軍を待ち受けます。

f:id:tomo2200:20191023231657j:image

自決、玉砕、内紛、そして最後の決死戦。悲惨なシーンが続きますが、実際にあったことのようです。映画を観て、この戦争を知りました。

f:id:tomo2200:20191023235452j:image

2004年、イチローがメジャーのシリーズ最多安打262安打の記録を打ち立てたとき、アメリカのマスコミで「かつて敵国として戦った日本人がアメリカ人とベースボールを一緒にプレイする時代がくるとは思わなかった。イチローを見て嫌いだった日本人が好きになった、」みたいな報道があった。イチローによる日本人のイメージ向上が、この映画の企画に影響を与えたのではないかと妄想したりする。

妄想話はさておき、「まさかアメリカ人が日本側の視点で戦争を描くなんて…」そんな時代がくるとは、栗林中将も驚いただろう。平和がなにより。

※今年227本目の映画鑑賞。