金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

音曜日 カーティス・メイフィールド

Curtis Mayfield

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ソウル・ミュージックの大御所。カーティスを聞いていると。最高の楽器って、ギターでもなく、ピアノでもなく人間の声だなと思います。

ファルセット・ヴォイスで歌うソウル・シンガーは多いけど、カーティスの声が一番美しい気がする。名曲、名アルバムから、とりあえず3枚。

 

Superfly  1972年

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収録曲
1.Little Child Runnin' Wild
2.Pusherman
3.Freddie's Dead
4.Junkie Chase
5.Give Me Your Love
6.Eddie You Should Know Better
7.No Thing On Me
8.Think
8.Superfly

麻薬の運び屋を描いた映画のサントラ。スリリングな曲が多い。(映画は退屈だけど、音楽は最高)

 

There's No Place Like America Today 1975年

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収録曲

1.Billy Jack   
2.When Seasons Change
3.So In Love
4.Jesus
5.Blue Monday People
6.Hard Times
7.Love to the People

メッセージ性のあるシリアス曲が多い。カーティス・メイフィールドの傑作。


Give, Get, Take and Have 1976年

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収録曲
1. In Your Arms Again (Shake It)
2. This Love Is Sweet
3. P.S. I Love You
4. Party Night
5. Give a Little Bit (Give, Get, Take and Have)
6. Soul Music
7. Only You Babe
8. Mr. Welfare Man

カーティスの転機となったアルバムです。このアルバム以降はラブソングが多くなります。

 

ゼロ・グラビティ

ゼロ・グラビティ     2013年

アルフォンソ・キュアロン監督

物語

地表から600キロメートルも離れた宇宙で、ミッションを遂行していたメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。すると、スペースシャトルが大破するという想定外の事故が発生し、二人は一本のロープでつながれたまま漆黒の無重力空間へと放り出される。地球に戻る交通手段であったスペースシャトルを失い、残された酸素も2時間分しかない絶望的な状況で、彼らは懸命に生還する方法を探っていく。

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冒頭からイラッとする映画です。船外作業中に異変が発生して、マットが「作業をやめてすぐに宇宙船に入れ」と命令するが、ライアンは「もうちょっと」と言い作業を続ける。これが大災厄に発展します。

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マットのお喋りもイラッとします。生きるか死ぬかの瀬戸際に余裕あり過ぎ。女を口説いてる場合ではないでしょ。

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VFXが素晴らしく映像的には凄いけど、筋書きや演出はB級パニック映画でした。ジョージクルーニーとサンドラブロックが滑稽にさえ見えて、まるで宇宙のディラン&キャサリン

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※今年112本目の映画観賞

 

 

 

レイジング・ブル

レイジング・ブル        1980年

マーティン・スコセッシ監督

ブロンクスの猛牛」とも呼ばれるようになるジェイクが、八百長試合を強いてくる組織との関係などに悩まされながらも栄光をつかみとる。しかし、妻のビッキーやセコンドを務める弟ジョーイに対し猜疑心や嫉妬心を募らせていき、信頼できる人間が離れていくことで凋落していく。

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傑作でした。他人さまのレビューを見て感じたのですが、この映画はいろいろ誤解されている。

 

誤解 その1  「ボクシング映画ではない」

拳闘シーンは迫力があるけど、ボクシング映画ではない。実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタという人物を描いた作品。

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ロバート・デニーロ

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実際のジェイク・ラモッタ

 

誤解 その2   「狂気はテーマでない」

ジェイク・ラモッタは、猜疑心が強く、浮気を疑い妻に暴力をふるったりするが、「タクシー・ドライバー」のような「狂気」を描いた作品ではない。 欠陥があるが普通の人。

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誤解  その3  「転落劇ではない」

ボクシングと同様に、人生でも、殴られても殴られても決して倒れない不屈の精神を描いています。

ラストの楽屋のシーンでは、過去の失敗から学び、未来へ挑戦しようとするジェイク・ラモッタがいます。試合に臨むボクサーのように、闘志をたぎらせて舞台に向かいます。

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これは傑作。凄いぞスコセッシ。

※今年111本目の映画観賞。

 

 

 

 

 

喜劇 駅前弁当

喜劇  駅前弁当      1961年

物語

東海道線浜松駅の駅前に「互笑亭」という駅弁屋がある。そこの店主・景子(淡島千景)は夫に先立たれた未亡人。一緒に店を経営する弟・次郎(フランキー堺)は頼りないため、亡き夫の友人で織物工場の社長・柳田金太郎(森繋久彌)と、ストリップ劇場の主・堀本孫作(伴淳三郎)にある相談をする。
 大阪の大資本家・倉持大作(アチャコ)という男が、景子の店の拡張に金を出資しても良いと言ってきているので金太郎たちにも会ってほしいと言うのである。しかしいざ会ってみるとこの大作というのが厄介な男で、金太郎と孫作がひいきにしている芸者に手を出したり、孫作の小屋にいるストリッパーを宴席ではべらしたりと次々に騒動を巻き起こす。
 一方、次郎は惚れていた女性に騙されていたことが分かり、今度は慰めてくれた千代(黛ひかる)に惚れ込んでいく。

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駅前シリーズ第3作目。シリーズとしての安定感は増しましたが、第1作目の文芸的な香りは微塵もなく通俗的です。お色気シーンもありの大喜劇でした。

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伴淳は絶好調。フランキー堺坂本九ら若手が大活躍。アチャコとか人気者も出演して賑やかですが、看板の森繁が、いまひとつ目立ってなかったりします。残念。

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浜松を舞台にしたご当地映画として、バイク、モーターボート、音楽教室(ハーモニカ)等、ヤマハの商品がたくさん出てきます。

観光地もたくさん紹介していて、当時の様子が楽しめますが、一押しは、浜松オートレースのシーン。当時は舗装していないレース場を土煙を上げて走るバイクはカッコよかった。

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いかにもなエンディング。終わりよければ全て良し。

※今年110本目の映画観賞

 

 

ソナチネ

ソナチネ        1993年

北野武 監督

物語

暴力団同士の抗争で沖縄に援軍として派遣された村川は捨て駒で、一門に裏切られ命を狙われる。

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北野武監督の四作目の映画。海外で認められ始めた頃の映画でしょうか。後の北野映画のエッセンスが詰まっているように思います。

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和やかなシーンと凄惨なシーン、海の青と血の色の赤、静と動、メリハリの効いた演出が印象的だった。久石譲の音楽もマッチしていた。

ただ脚本はもう一つ。女の子を出して話を盛り上げているけど物語に絡んでいない。印象的なラストも必然性がない感じがする。まだ発展途上な感じでした。

※今年109本目の映画観賞 。

 

 

 

 

 

 

 

 

タクシー ドライバー

タクシー ドライバー           1976年

マーティン・スコセッシ監督

物語

   タクシー運転手のトラビスは、大統領候補の選挙運動員ベッツィに心を惹かれる。だが、デートは失敗。そんな折、トラビスは13歳の売春婦、アイリスと出会い、足を洗うよう説得する。トラビスは使命を感じ、アイリスのいる売春宿に向かったのだが…。

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アメリカン・ニューシネマの最後期の傑作。アメリカン・ニューシネマって、安近短なイメージを持っているが、本作は重厚でムーディーな感じ。カンヌでパルムドールを受賞するなど、ニューシネマの域を超えた作品でした。

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ロバート・デニーロ

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(なんと)ジョディ・フォスター

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スコセッシ監督の映像センスが凄くて、トラビスの孤独感や狂気に引き込まれてしまう。若い時に観ていたら、何か間違いを犯したかも。事実、この映画を繰り返し観たジョン・ヒンクリーはジョディ・フォスターのストーカーになり、挙げ句の果ては、レーガン大統領暗殺未遂を起こしている。R30指定の映画だ(笑)

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銃撃戦後のエンディングには解釈論があるようだが、僕はそのままに観た。彼は世間から認知され孤独から解放されたのでろう。爽やかなエンディングだ。

※今年108本目の映画観賞 。久々にガツンとくる映画だった。

 

 

休憩 : ゴリラのココ亡くなる

手話で人間と意思疎通できるゴリラの「ココ」が、先週19日に死んだ。46歳だった。

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ココは、1000語の手話を覚え、2000語程度の英単語を理解したゴリラで、人類と「会話」した初めての動物です。

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優しい性格で、子猫の絵本が気にいり、飼育員に子猫をねだったりしています。子猫をプレゼントすると大変喜びペットとして可愛がりました。その子猫は死んでしまうとココはひどく悲しみ、「猫」「泣く」「さようなら」と「ココ 愛」と伝えたそうです。

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興味深い話があります。研究者がココに「ゴリラは死んだらどこに行くの?」と聞いた話です。ココは「心地いい穴の中」と答えたそうです。ゴリラも人間と同じような死生観を持っているようです。

 

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動物の知性という話では、絵を描く像もよく知られています。

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僕より上手です…

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象の知性については、こんな話も。アフリカで野生動物保護に人生を捧げたローレンス・アンソニーさんの話。ローレンス・アンソニーさんは、多くの象をハンターから保護し、象を絶滅の危機から救いました。

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2012年にアンソニー氏が心臓発作で亡くなると間もなく、一年半も姿を見せなかった象の群が、2日間もかけて彼の家にやってきたそうです。どのようにアンソニー氏の死を察知したのかは謎ですが、象が恩人の死を悼み弔いに来たのです。象の知性は計り知れません。

 

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RIP Koko (1971-2018)