金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

翔んで埼玉

翔んで埼玉                2019年

武内英樹監督

物語

埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けていた時代。東京の超名門高校・白鵬堂学院にアメリカから麻実麗が転校してくる。その美貌とオーラに抗えなくなる生徒会長の壇ノ浦百美。でも麻実は隠れ埼玉県民だった…

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魔夜峰央のコミック原作。「テルマエ・ロマエ」などの武内英樹がメガホンを取り実写化。興行収入37.6億(内10億は埼玉県)の大ヒット作品になる。

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先週、地上波で放映していたので観ました。原作コミックが未完だったので後半が気になりましたが、埼玉vs千葉 という構図で物語を作っていて千葉もネタにして盛り上げていました。あれは千葉市出身の監督のアイデアですかね。

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漫画キャラになり切った、GACKT二階堂ふみの演技が良かった。男装の二階堂ふみはなかなか可愛らしい。

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加藤諒。舞台でパタリロを演じていましたが、もう魔夜ファミリーですね。

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映画として語ると、まあ、くだらないのです。でもディスりネタの仕込みはよく出来ていて笑えますね。原作以上に面白かった。

※今年16本目の映画鑑賞。

大草原の渡り鳥

大草原の渡り鳥              1960年

斎藤武市監督

物語

北海道にやって来た滝伸次。土地のボス・高刀はアイヌ部落が広がる地域を観光地にしようと目論んでいた。アイヌの人々の生活を守るため、滝は立ち上がる。

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小林旭宍戸錠らが活躍した日活のアクション映画。”渡り鳥”シリーズ第5弾。本作はシリーズ最高傑作と名高い。

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“渡り鳥”シリーズを初めて観ました。ギターとガンを手にした主人公が全国各地を渡り歩いて、その土地に巣くう悪玉をやっつけるというヒーロー物。小林旭宍戸錠のコンビが最高。ギャグのようなキザが癖になりそう。

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石原裕次郎と並ぶ日活のスター、マイトガイ和製英語:ダイナマイトのような男)小林旭の魅力にシビれました。ラストシーンがシェーンみたいでしたね。分かっていても泣けるな。

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※今年15本目の映画鑑賞。

もやもや日記: どんなときも

歌手 槇原敬之容疑者を逮捕 覚醒剤取締法違反の疑い

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槇原敬之さん、二度目の逮捕か…

やっぱり止められないのだよね…

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どんなときも  (クスリ)

どんなときも  (クスリ)

僕が僕ぼくらしくあるために   (クスリ)

「好きなモノは好き!」と (クスリ)

言える(クスリ )抱きしめてたい

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本当に 本当に (クスリ)が大好きだったから

もう(ヤク)なんてしないなんて 言わないよ絶対

(止めないのかーい!)

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“眠らなくても疲れない薬” とか 肉体的にも精神的にもありとあらゆる痛みを感じなくなる”ヘソリンガス”とか、ドラえもんも逮捕だな。

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田代まさしは懲役3年6か月くらいになりそうだと。しかし自分の意思で止められないのが薬物中毒。刑務所じゃなく病院に入れて治療する方がいいと思うな。

本当は麻薬に手を出した人より、麻薬を売った人や組織を厳罰にすべきなんだ。

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最後に「ダメ。ゼッタイ。

清原、のりピー (涙)

おしまい。

さざなみ

さざなみ                          2015年

アンドリュー・ヘイ監督

物語

結婚45周年を記念したパーティーを土曜に予定しているジェフとケイトの夫婦。だが、月曜に届いた手紙がきっかけとなって、山岳事故で命を落としたジェフの昔の恋人の存在が二人の間に浮き上がってくる。かつての恋人との記憶をよみがえらせてはそれに浸るジェフと、すでにこの世にはいない彼女に嫉妬を募らせていくケイト。次第に彼女はジェフに対する不信感を抱くようになり、長い夫婦生活で育んできた愛情や絆も揺るぎ始める。

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ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞を筆頭に、各国の映画祭や映画賞で高い評価を得たヒューマンドラマ。

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原題は”45Years”   たった一通の手紙が45年間連れ添った夫婦に起こす心の機微を描いている。邦題の”さざなみ”はなかなかセンスがいい。

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主演のシャーロット・ランプリングトム・コートネイの演技が素晴らしい。特にシャーロット・ランプリングは老いた女のジェラシーやプライドを見事に演じていました。二人はベルリン映画祭で主演男優賞と主演女優賞を獲得しています。

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微妙な夫婦のすれ違い…  いや、あるあるなんで、観ていて薄ら寒い気がしました。なかなか唸らせる映画ですが、若い人には理解できないし退屈ですよね。映画のタイトルをR45にしたらいいかも。

※今年14本目の映画鑑賞。

午後の曳航

午後の曳航                            1976年

ルイス・ジョン・カリーノ監督

物語

イギリスの小さな港町、未亡人である母アンと二人で暮らす13歳の少年ジョナサンはある日、町に入港した巨大な外洋船を見学に向かう。そこでジョナサンは乗組員のジム・キャメロンに会い彼に憧れを抱くようになる。そしてアンもまたジムへ男女としての特別な感情を寄せることになる。3人で会う事を繰り返す中、ある夜、ジョナサンは部屋の小さな穴から母親とジムとの情事を覗き見てしまう。ジムに対するジョナサンの気持ちは憧れから憎しみと怒りに変わり始める…

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三島由紀夫原作の日米英の合作映画。小説の舞台を横浜からイギリスに移して作られた作品。

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未亡人の母アンとジョナサンの前に現れた船乗りのジム。最初ジョナサンは海の男の強さと純粋さを崇拝したが、母アンがジムと恋愛関係になるとジムが海を捨てて母と結婚するということを聞いて激しく動揺する。

ジョナサンにとってはジムが凡庸な陸の男になることは堕落であり裏切りだった。

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ジョナサンが所属する同級生の秘密クラブの首領は、大人達の裏切りに対する報復としてジムを処刑することを煽ります。そしてジョナサンらはジムの殺害を実行に移すのでした。

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丁寧な作りで、三島由紀夫の原作に対するリスペクトを感じるけど、プロットだけ追うと中二病の少年犯罪みたいで映画としてはイマイチ⤵︎

映像では語られない少年の内面的な世界、こういう表現は小説(活字)方がいいのでしょうね。

※今年13本目の映画鑑賞。

復讐するは我にあり

復讐するは我にあり    1979年
今村昌平監督
日豊本線築橋駅近くで専売公社のタバコ集金に回っていた柴田種次郎、馬場大八の惨殺死体が発見され現金41万円余が奪われていた。やがて、かつてタバコ配給に従事した運転手・榎津厳が容疑者として浮かんだ……

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1963年から1964年にかけて起きた連続殺人事件「西口彰事件」を元にした作品。全国を逃亡し犯罪を繰り返した西口彰事件は当時の社会を震撼させた。

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実際に起きた殺人事件を扱っていて、事件の顛末よりも、その背景に焦点が当たる。犯人の生い立ちや父親との相克、犯人の妻と義父との恋情など複雑な人間関係が描かれる。緒形拳三國連太郎倍賞美津子ら実力派俳優らの演技が素晴らしい。

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人間の本質に迫る猥雑なリアリズムは今村昌平の真骨頂。倍賞美津子、小川眞由美らの裸の演技が凄い。

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事件が起きた1963〜1964年は日本は高度成長の真っ只中。アメリカではケネディ大統領が暗殺されている。映画は、金銭目的の強盗殺人犯を善悪という尺度で裁くのではなく、己の欲望を満たすためには手段を選ばない時代の仇花として描いているように見えた。

今村監督は「うなぎ」と「楢山節考」で二度パルムドールを受賞しているが、その二作に勝るとも劣らない名画でした。

※今年13本目の映画鑑賞。

 

「麒麟がくる」と時代考証

NHK大河ドラマ麒麟がくる

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長谷川博己が主演の「麒麟がくる」がなかなかの評判らしい。やっぱり大河ドラマは歴史ものに限るね。(去年の「いだてん」は完全スルー)

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しかし、なんだね、この違和感のある色づかいは…落ち着いて見てられないね。

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ひょっとして黒澤明「乱」のオマージュ?と思ったら、衣装デザインは黒澤明の娘さんの黒澤和子さんでした。ああ、納得でございます。

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しかしNHKに言わせると、これも時代考証とのことです。戦国時代は原色が好かれたそうです。確かに伊達政宗の着物はテクニカラー

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そう言えば「平清盛」の時の埃っぽい京都。NHK時代考証とか言っていましたけど、実際のところどうなんでしょう? その時代のことを知る人はいませんからね。

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タイムマシンがあったら、この目で見たいものです。

おしまい。