金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

逢びき

逢ぴき                       1945年

デヴィッド・リーン監督

物語

ミルフォード駅内の喫茶店。沈痛な面持ちで向かい合っている中年の男女。とそこへ、女性の 知人が偶然に現れ、声を掛けれたローラは、同席の男性は医師のアレック・ハーベイで、彼は来週アフリカへ赴く、と紹介した…。

f:id:tomo2200:20200420011047j:image

互いに配偶者を持つ身でありながら道ならぬ恋に惑う男女の出会いと別れを描いた恋愛映画。カンヌ映画祭パルムドールを受賞。

f:id:tomo2200:20200420012238j:image

f:id:tomo2200:20200420012243j:image

モノクロならではの陰影を活かした心理描写。

会ってはいけない、でも会いたい。道ならぬ恋の”背徳感”が官能的ですらある。

f:id:tomo2200:20200420012510j:image

舞台が駅なのがいい。ヴィットリオ・デ・シーカの「終着駅」もそうだけど、駅には出会いや別れ、旅立ちや人生の転機というイメージが映画の舞台になるんだね。

f:id:tomo2200:20200420013002j:image

この映画、主人公の女性を語り手にした”女性向け"のロマンス映画です。製作された1945年はまだ男性中心の社会で斬新だったのではないかと思います。見応えありました。

※今年28本目の映画鑑賞。

紅の拳銃

紅の拳銃              1961年

牛原陽一監督

物語

クラブ「銀の城」片隅に坐っていた石岡は、酒をあおっているニヒルな男を見て、“俺が探していたのはこの男だ”とつぶやいた。石岡はかつて射撃の名手だったが、戦争で右腕を失ってからは悪の世界に飛び込み、命知らずの男を殺し屋に仕立ててボスに売りこんでいた。殺し屋になることをあっさり引受けた中田(赤木圭一郎)は、女給の千加子を襲ったギャングを殴り倒し、その後も射撃の腕に磨きをかけていくのだった…

f:id:tomo2200:20200412163529j:image

f:id:tomo2200:20200419174746j:image

主演の赤木圭一郎は、石原裕次郎小林旭に続く日活アクションスターとして期待されたが本作撮影後、撮影所内のゴーカト事故で21歳で死亡した。


 「また殺し屋の話ですか、勘弁してくださいよ。殺し屋なんて実際にいやあしねえんだから」というパンチの効いた出だし。テンポ良いストーリー展開で引き込まれる。

f:id:tomo2200:20200419235150j:image

f:id:tomo2200:20200419235134j:image

中国マフィアとの対決。いかにも”怪しい”中国人は昭和っぽい。懐かしい感じ。

f:id:tomo2200:20200420001639p:image

ヒロインの菊代(笹森礼子)。石岡の妹で目が見えなかったが、神戸の名医に手術してもらい視力を回復する。こういうのも昭和っぽいな。

f:id:tomo2200:20200420001650p:imagef:id:tomo2200:20200420002051p:image

列車の中で顔を知らぬ中田を探す菊代。偶然、同じ列車に乗っていた中田は菊代に気づくが、彼女に名乗らず、そのまますれ違う。

中田は菊代への想いを抑えて、次の危険な任務に赴くのだった。

f:id:tomo2200:20200420004147p:image

久しぶりの映画。昭和っぽいネタが満載で面白かった。赤木圭一郎さんは名優の雰囲気がありますね。早すぎる死が惜しまれます。

※今年27本目の映画鑑賞。

もやもや日記 : 緊急事態宣言

久しぶりの投稿。m(_ _)m

コロナ鬱でしょうか、どうも落ち着いて映画とか観れないです。やれやれ。

f:id:tomo2200:20200409005818j:image

f:id:tomo2200:20200409004743j:image

東京都など大都市で新規感染者が急増。

遂に非常事態宣言が出される状況に…

 

f:id:tomo2200:20200409000132j:image

昨日は1日で500人超の新規感染者が出ました。

日常生活がデンジャラス、どこで感染するかわからない。こうなると精神的に疲れますね。

 

f:id:tomo2200:20200409090456j:image

f:id:tomo2200:20200409090508j:image

アベノマスクには失笑しましたが、緊急事態宣言が出されたことは良かったと思います。

 

f:id:tomo2200:20200409093716j:image

緊急事態宣言と言っても、やることは STAY HOME、結局は、国民一人一人の努力でしか感染拡大を防ぐしかないのですよね。

f:id:tomo2200:20200409093751j:image

頑張りましょう。

おしまい。

雑記 : 志村けんさん逝く

志村けんさんの訃報。ショックでした。

身内でもないのに動揺してしまった

f:id:tomo2200:20200330195611j:image

f:id:tomo2200:20200330194355j:image

ドリフターズの人気者。

f:id:tomo2200:20200330194404j:image

f:id:tomo2200:20200330194555j:image

バカ殿や変なおじさん。

f:id:tomo2200:20200330194416j:image

志村軒などのコントも良かった。

こんなコメディアンは二度と現れないでしょう。残念です。

ご冥福をお祈りします。

羊の木

羊の木        2018年
吉田大八監督
物語
寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる極秘プロジェクトだった。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末はこのプロジェクトに不安を感じていたが、そんな中、港で死亡事故が起こる…。

f:id:tomo2200:20200324181447j:image

山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックが原作。監督は「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八さん。

f:id:tomo2200:20200324205248j:image

f:id:tomo2200:20200324205256j:image

主人公の月末(錦戸亮)、月末が想いを寄せる元同級生、石田文(木村文乃)。

f:id:tomo2200:20200324193124j:image

f:id:tomo2200:20200324193952j:image

f:id:tomo2200:20200324194221j:image

f:id:tomo2200:20200324194004j:image

f:id:tomo2200:20200324194015j:image

f:id:tomo2200:20200324193309j:image

f:id:tomo2200:20200324205835j:image

元受刑者たち。殺人犯も刑期を終えれば社会に戻るが、私達は彼らを受け入れることができるのだろうか。ちょっと重たいテーマのサスペンス。映画のコピーは「信じるか、疑うか」。

f:id:tomo2200:20200324220238j:image

世のレビューでは厳しい評価が多いのですが、それなりかと思います。作品の世界観とか俳優さんの演技は良かった。

惜しいの中盤から後半のあっさりした展開。尺を長くして登場人物やドラマを丁寧に描いたら、もっと良かっただろう。

※今年26本目の映画鑑賞。

青春群像

すす青春群像                      1953年

フェデリコ・フェリーニ監督

物語

美人コンテストで優勝したサンドラは妊娠していることがわかった。町を逃げだそうとしていた相手の男ファウストは、父親にそのことを知られて結婚させられた。母と姉と三人暮らしのアルベルト、劇作家志望のレオポルド、美声のリカルドそれにサンドラの弟モラルドなど、ファウストの仲間たちは相変わらず遅くまで遊び歩いて時間をつぶしていた…

f:id:tomo2200:20200321103254j:image

フェデリコ・フェリーニ監督の初期の名作。ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を獲得している。原題は<のらくら者たち>。フェリーニの自伝的映画といわれる。

f:id:tomo2200:20200321104639j:image

f:id:tomo2200:20200321105225j:image

1950年代のイタリアの田舎町、30才にも近いが仕事もなく結婚も出来ずにいる若者たち。社会の閉塞感とか若者のくすぶり感とか、どこか現代にも通じるような作品。

f:id:tomo2200:20200321104930j:imagef:id:tomo2200:20200321104714j:image

フェリーニの映画って、難解なイメージがありますが、初期の作品はストレートで分かりやすいですね。海を見つめるシーンとか映像の力を感じます。

f:id:tomo2200:20200321120015j:image

“何でもない”若者たちの青春群像劇。「アメリカン・グラフィティー」みたいな作品を、ルーカスの20年前に作っちゃったのも才能が凄い。ラストのモラルドの旅立ちが清々しい。

※今年25本目の映画鑑賞。

スイング・タイム

スイング・タイム                 1936年
ジョージ・スティーヴンス監督
物語

ダンス教室の美人先生にひと目惚れしたタップの名人ラッキーは素人のフリをして入門、コンビを組んで活躍する。二人は恋に落ちるが、ラッキーには婚約者がいてニューヨークで成功して結婚をする約束をしていた。

f:id:tomo2200:20200317204401j:image

フレッド・アステアジンジャー・ロジャースによるミュージカル・コメディ。「今宵のあなた」はアカデミー主題歌賞を受けた。

f:id:tomo2200:20200317220848j:image

フレッド・アステアはハリウッドのミュージカル映画全盛期を担ったエンタテーナー。映画ではカットなしのダンスシーンを堪能できます。

f:id:tomo2200:20200317210731j:image

f:id:tomo2200:20200317210734j:image

f:id:tomo2200:20200317220905j:image

他愛ないコメディですが、ダンスと音楽がウリの映画なのでストーリーはご愛嬌。ジンジャー・ロジャースが綺麗でした。

※今年24本目の映画鑑賞。