すす青春群像 1953年
物語
美人コンテストで優勝したサンドラは妊娠していることがわかった。町を逃げだそうとしていた相手の男ファウストは、父親にそのことを知られて結婚させられた。母と姉と三人暮らしのアルベルト、劇作家志望のレオポルド、美声のリカルドそれにサンドラの弟モラルドなど、ファウストの仲間たちは相変わらず遅くまで遊び歩いて時間をつぶしていた…
フェデリコ・フェリーニ監督の初期の名作。ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を獲得している。原題は<のらくら者たち>。フェリーニの自伝的映画といわれる。
1950年代のイタリアの田舎町、30才にも近いが仕事もなく結婚も出来ずにいる若者たち。社会の閉塞感とか若者のくすぶり感とか、どこか現代にも通じるような作品。
フェリーニの映画って、難解なイメージがありますが、初期の作品はストレートで分かりやすいですね。海を見つめるシーンとか映像の力を感じます。
“何でもない”若者たちの青春群像劇。「アメリカン・グラフィティー」みたいな作品を、ルーカスの20年前に作っちゃったのも才能が凄い。ラストのモラルドの旅立ちが清々しい。
※今年25本目の映画鑑賞。