金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

西鶴一代女

西鶴一代女            1952年

溝口 健二監督

井原西鶴の「好色一代女」を原作に、男たちに翻ろうされ堕ちていく女の悲劇を描いた作品

良家の娘、お春は、宮女から、舞妓、大名の妾、太夫、商家の女中、扇屋の女房、いく先々で不幸な運命に弄ばれて、最後は夜鷹まで身を落としてしまう。

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原作は井原西鶴の「好色一代女」。良家の娘が身を落としてしまう筋書きは同じだが、「好色一代女」はロマンポルノ的な読み物だったのに対し、「西鶴一代女」は、虐げられた女性の悲劇として描いている。悲劇的な人生を生きる女性ではあるが、可哀想なばかりではなく、逞しさ、美しさも描き出していて、溝口監督が女性映画の巨匠と言われるのが納得。

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溝口映画は「雨月物語」と、この「西鶴一代女」で、まだニ本目ですが、溝口作品に溢れる文学性や美意識が凄いと思います。他の作品も観たくなりました。

※今年86本目の映画鑑賞